インスタの消える動画「ストーリーズ」の威力 スマホ画面いっぱいの広告枠に企業が群がる

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インスタグラムのSNSとしての幅を広げたストーリーズだが、スクワイヤーズ氏は企業が広告宣伝に活用するうえでのメリットも強調する。

「スマホの全画面を占有できるため、(ほかに意識が散らない)没入感の高い見せ方ができる。またストーリーズでは、インスタグラムのフィードはもちろん、(親会社サービスの)フェイスブックとも共通の広告インフラを使っているため、キャンペーンの同時展開や、効果測定に応じ出稿先を変えたり、各媒体の出稿量を調節したりするのが容易だ」

スマホ画面のサイズに合わせた広告が必要

ストーリーズを用いたルイ・ヴィトンの広告。スマホ全画面表示という形態に合うよう、ストーリーズのためだけの企画・制作を手掛けた(写真:Instagram)

ただ魅力的なツールであっても、万能薬ではない。一般ユーザーにとっては気軽な投稿の場であるストーリーズだが、企業の広告宣伝で高い効果を上げるには相応の工夫がいる。「コンテンツの見せ方をモバイルに最適化することは必須。特にストーリーズはユーザーの閲覧スピードが非常に速いため、訴求したいメッセージを冒頭の数秒に詰め込む必要がある」(スクワイヤーズ氏)。

また、配信直後から効果測定を行い、コンテンツや配信形態を柔軟に見直すことも重要だ。米アップル傘下でヘッドホン・スピーカーを展開するブランド、Beats(ビーツ)のキャンペーンは、この点がうまくいった例といえる。

ビーツはストーリーズでの広告を展開するにあたり、有名アーティストを起用しブランドイメージを訴求するものと、製品の機能面やカラー展開の紹介を前面に出すものの2パターンを用意。同時に配信を始め、後者がより大きな購買に結び付いたことがわかるとすぐに、半々だった配信量の割合を後者メインに切り替えた。結果、自社通販サイトへの訪問が従来比11倍に、訪問者の購入率も30%向上した。

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