公取が調査、クラウドソーシングの曲がり角 安値受発注で急成長してきたが…

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クラウドソーシングを活用するフリーランスは大きく4種類に分類される。その中でも近年増えているのは副業だ。個人事業主などと比べ収入は低いが、国の副業推進が追い風となっている。業界大手ランサーズの調べでは、フリーランスの約1割がクラウドソーシングで仕事を獲得しているという。これまで労働市場への参加が難しかった人々が、働く機会を得られるようになったという意義は大きい。

ただ、市場の拡大に伴って、悪質案件が掲載されるケースも出てきている。業界大手のクラウドワークスでは今年初め、規約で禁止しているはずのマルチ商法に似た案件が掲載されていたことが発覚。同社は5月に悪質案件を検出するAIを導入。違反の可能性が高い単語を含む案件を数時間おきに検知し、さらに目視で確認する体制を整えるなど対応に追われる。

誰がやっても同じだから低単価なのか

報酬が低くなりがちであることも課題だ。発注側は誰がやっても同じ仕事の場合、報酬は低単価に抑えたいという意向が働く。

2016年12月、不適切な医療記事が問題となったディー・エヌ・エーのメディア「WELQ」(ウェルク)でも、低コストで記事を量産するためクラウドソーシングが用いられた。

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