競売でゲット、英鉄道「ワンランク上の空席」

最低5ポンドから入札、温かい食事付き

では、仮に平日に運良く落札できたとしたら、どんなサービスが待っているのだろうか。

始発駅、例えばロンドンのキングスクロス駅で列車に乗り込むと、一等車の座席にはあらかじめお茶をサービスするためのマグカップが置かれている。コーヒーと紅茶は飲み放題、それに加え、朝昼晩と異なるメニューの充実したミールサービスがある。朝なら、卵料理、ベーコンなどがマッシュルームや焼いたトマトとともにサービスされる本格的な英国式ブレックファーストが提供される。ランチタイムなら軽めにサンドイッチかソーセージロール、あるいはしっかり食べたいならリゾット、といったように5種類ほどのメニューから選ぶことができる。ディナータイムにはランチ時に出るメニューに加え、本格的な肉料理もリストに加わることになっている。飲み物はソフトドリンクだけでなく、ビールやウイスキー、各種のワインなどから選ぶことができる。

一等車の車内。メニューと共にお茶のセットが各席に準備されている(筆者撮影)

街のレストランでランチやディナーを食べると、飲み物を付けてサービス料まで払うと最低でも20ポンド以上はかかる。だとしたら4時間前後かかるロンドンからスコットランドまでの汽車旅において、もし1人20ポンド程度でアップグレードの権利が落札できたら、ずいぶんとお得感があるだろう。一等車では出発前にラウンジに立ち寄れるのも大きな特典のひとつ。ここでもお茶やビスケットなどを自由に楽しむことができる。さらに、ラウンジでも車内でもWi-Fiの利用はすべて無料。充電用のコンセントが自由に使えるのもうれしいサービスだ。

航空会社では一般的な手法に?

ヴァージントレインズは、鉄道業界では「世界で初めて」と豪語しているが、実は航空会社では上級クラスの席を埋めるためのスキームとして広く行われている。

入札に当たっては、各航空会社所定のウェブサイトを開き、予約番号を入れてチェックすると、当該のチケットでオークションに参加できるかどうかの可否とともに返答が来る。買ってあるチケット(もしくはそのフライトの空席状況により)入札ができる状態であれば、「入札の最低~最高額はいくら」という案内が来るので、適当と思われる額を入れて結果を待つ、というシステムとなっている。

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