41歳で「1兆円帝国」を築いた前澤友作の真価

好調ゾゾタウンが繰り出す次の一手

百貨店首位の三越伊勢丹ホールディングスは約4600億円だから、すでに2倍以上の差をつけている。これまで国内アパレル業種で時価総額が1兆円を超えていたのは、「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングだけ(約3.3兆円)だった。小売業全体でも時価総額が兆円単位の企業はセブン&アイ・ホールディングスやイオン、ニトリホールディングスなど数社しかない。ゾゾタウンの拡大に加えて、PBという新たな展開に打って出る前澤社長とはどんな経営者なのか。

「人知れず努力する」「数字に強い」

古くから前澤氏を知るのが、EC事業本部担当の武藤貴宣取締役だ。武藤氏が入社したのは2002年で、当時は輸入CD・レコードの通販とネット上のセレクトショップ「EPROZE(イープローズ)」の運営が中心だった。(1998年に有限会社スタート・トゥデイ設立。2000年に株式会社スタートトゥデイに組織変更)。

15年にわたって前澤氏を見てきた武藤氏は、「昔から変わっていない。人が見ていないところですごく努力して、あるとき(完成形を)バンッと出す。今も(PBのために)いろいろ調べているんでしょう」と話す。武藤氏が入社したとき、社員は数人しかいなかった。「今の従業員からすると信じられないかもしれないが、当時は前澤がいちばん早く会社に来て、いちばん遅くまで残って作業をしていた」と振り返る。

PBの展開でも「あるときバンッと出す」としたら、今回公開された巨大な工場が重要な拠点になりそうだ。

栁澤孝旨(やなぎさわ こうじ)/銀行、証券会社などを経て2006年にスタートトゥデイ常勤監査役。2008年取締役就任。09年からCFOを務め、2017年4月から副社長を兼務(撮影:今井康一)

スタートトゥデイのナンバー2である栁澤孝旨副社長兼CFO(最高財務責任者)は、前澤氏について「ものすごく数字に強い」と話す。

栁澤氏は富士銀行(現・みずほ銀行)、NTTデータ経営研究所、みずほ証券などを経て、2006年にスタートトゥデイの常勤監査役に就任。2009年からCFOを務める数字のエキスパートだ。スタートトゥデイの上場前からそばで見てきた印象は、「前澤は右脳と左脳の両方を使う。アイデアマンだが、思いつきで事業はやらない。これは10年前から同じ。自分でアイデアを出しつつ、数字に強いからきちんと採算を考えて、『あ、これは儲からない』と即座にわかる。だから結構、石橋をたたいて“壊す”」(栁澤氏)という。

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