年5000万円赤字の割烹を再興した女将の改革 立ち塞がる義父の先代を緻密に納得させた
なぜか待っていたのは、お見合い相手の父、当時「や満登」の社長だった3代目・成川孝行さんだった。肝心の息子さんが不在のまま、お見合いは進行。そして、結局その後も息子は現れず、父・孝行さんの自慢話を聞くことに。
「東京に7つしかない麒麟像を持ってるんだ!」(孝行さん)
お見合いが終了。
「多分お父さんのお眼鏡にかなわないとご本人に会うことはできないんじゃないかなっていう風には察しました」(祐子さん)
100年以上の歴史ある老舗らしく社長の権限は絶対。息子の結婚相手を自ら品定めに来たという。呆れた祐子さんが、店を出ようとしたとき、床掃除をしている、ひとりの男性が声をかけてきた。
「どうも、初めまして。息子の英行です」(英行さん)
「あ、どうも。こんにちは」(祐子さん)
後の夫の第一印象は「無理無理無理」
それが、夫・英行さんとの初めての出会い。一生懸命働く姿に、一目惚れしたかと思いきや…
「あ〜無理!無理無理無理!という第一印象でした。全くタイプじゃなかったです。」(祐子さん)
それでも数日後、「今度は本人が来るから」と知人に頼まれ、渋々、再びお見合いすることになった。指定されたのはやはり「や満登」。だが、英行さんの傍らには、またしても父の孝行さんの姿があった。
「どんな会社をやっていたのかな?」(孝行さん)
「今は100人以上入れるレストランシアターを経営しています。」(祐子さん)
「どんなお店?うまくいってる?」(孝行さん)
「家族でご飯を食べながらショーを見るお店です。年商は1億円以上です」(祐子さん)
口下手な英行さんは会話に全く入れず、横で頷いているだけ。
「彼とお話ししたという印象が全くなかったので、良いも悪いも感じ取れませんでした。」(祐子さん)
顔もタイプで無ければ一緒にいても楽しくない。全く恋愛の対象にはならなかった。一方、英行さんの印象は…
「自分のはっきりした意思を持って行動しているので、この人となら親父に勝てるんじゃないかと思いました」(英行さん)
次期社長として、自分の父親から主導権を奪わなければいけない。そのパートナーとして祐子さんに惚れ込んでいた。
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