男が知らない「女性専用車両」乗客の行動実態 熾烈な席取りバトル、座ったとたん荷物整理

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なお、化粧と飲食は女性専用車両だから多いという印象はない。車内飲食は最近では少ないながらも高齢者でも見掛けるようになったし、年齢や性別での違いはないように思う。基本的に車内で化粧をするのは女性だけだから、女性専用車両で見掛ける確率が上がるのは確かなのだろうが、気兼ねなく化粧をしたいから女性専用車両に乗る、という人がどのくらいいるのかは疑問だ。座れる車両であることが重要なのであって、女性専用車両かどうかは二の次なのではないだろうか。

ネットの書き込みを見ていると、女性専用車両のほうが一般車両よりもすいているという指摘をよく目にする。確かに比較的早い時間帯ではその傾向はあるかもしれないが、ラッシュのピークの時間帯は女性専用車両もすし詰めで、一般車両とあまり変わりないように思う。

路線ごとに運用状況はバラバラ

知らずに乗り込んだらそれが女性専用車で、思い切り冷たい視線を浴びた、という経験をしたことがある男性は少なくないはずだ。

女性専用車両の運用は鉄道会社、路線ごとにまったく違う。始発からの路線もあれば、7時からの路線もあるし、終了時間も9時だったり9時半だったり。車両の位置も真ん中、運転席側の先頭1両目、車掌室側の最後尾1両目などまちまちだ。

女性専用車両だと知っていたら乗るつもりはなかった人は、周囲の白い目や車内アナウンス、あるいは近くの女性に言われて気づくとさっさと移動していく。

その一方で、女性専用車両だと承知したうえで乗っている男性も少数ながらいる。筆者が普段乗っている始発から4本目の電車では見掛けないが、20分ほど後の電車には、毎日決まった駅から乗り、決まった位置に座っている男性が3人いる。

以前、このうちの1人に乗客の女性が注意をしたら、イヤホンを付けたまま聞こえないふりをして無視していたので、承知のうえで乗っているのは間違いない。女性専用車に乗り込んでくるなり爆睡モードに入る男性も“承知している派”で、寝たふりなのかもしれないと思うときがある。降車駅に着くと、普通に目を明けて降りていく。

ただ、女性専用車両に異議を唱え、反対運動として女性専用車両への乗車を続けている男性もいる。筆者はこの男性にインタビューを行った。その内容については、別の記事(あえて女性専用車両に乗る「男性の言い分」)で紹介する。

伊藤 歩 金融ジャーナリスト

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いとう・あゆみ / Ayumi Ito

1962年神奈川県生まれ。ノンバンク、外資系銀行、信用調査機関を経て独立。主要執筆分野は法律と会計だが、球団経営、興行の視点からプロ野球の記事も執筆。著書は『ドケチな広島、クレバーな日ハム、どこまでも特殊な巨人 球団経営がわかればプロ野球がわかる』(星海社新書)、『TOB阻止完全対策マニュアル』(ZAITEN Books)、『優良中古マンション 不都合な真実』(東洋経済新報社)『最新 弁護士業界大研究』(産学社)など。

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