男が知らない「女性専用車両」乗客の行動実態 熾烈な席取りバトル、座ったとたん荷物整理

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すし詰め一歩手前くらいに混んでいる場合、マフラーやハネあげた髪が顔にぶつかるというのも女性専用車両ならではの被害だ。人間、背中に目はついていない。立ったまま窓ガラスやスマホを鏡代わりにしたり、実際に手鏡を出したりして、毛先だけくるんと丸めた髪を手ぐしで直す女性は少なくない。手の甲で髪の先を後へハネあげられると、背の高さが同じくらいなので、もろに髪が顔にぶつかるのだ。

混雑している場合も、空いている場合も、座りたい座席の位置や立っていて楽な場所、乗り換えに便利な場所をめぐる競争は、女性専用車両でも当たり前に起きている。

肩に掛けた荷物でライバルを駆逐

女性の場合は荷物を使ったバトルが熾烈だ。おそらく女性の9割以上が荷物を肩に掛ける。肩に掛けると荷物は横に張り出す。スマホからいっさい目を離さないが、神経は肩に集中させ、張り出した荷物を使って、競合相手を悪意がないふりをしながら押しのける。

女性同士だと、胸から上腕部分を「点」ではなく「面」で圧される形になるので、かなりの効果を発揮する。筆者は荷物を肩に掛けるということをしない、女としてはかなりの珍種なので、自分の荷物で防御することができない。

誤解を恐れずに言うならば、男でも女でも戦闘モード全開の人は怖いし面倒くさい。ゆえに基本的に近寄らないようにしているのだが、たまたま混んだ電車に乗らざるをえず、避けられないときはある。

筆者が普段乗っている、始発から4本目のガラガラに空いた女性専用車両でも、連日ターミナル駅の2駅前と、3駅前で乗ってくる、若く美しい女性2人がバトルを展開している。

乗り換えのための好位置確保のため、3駅前から乗ってくる女性は座席には座らず、ドア横に立つ。そして次の駅で乗ってくるもう1人の女性が、肩に掛けた荷物でこの女性を押しのけるのだ。目はスマホから離さず、イヤホンもしているので、何か言われても聞こえないふりなのだろう。

やられたほうは、荷物を体に押し付けられた状態で、立ち位置を変えず踏ん張り続ける。何しろ自分は先に乗っているのに、後から乗ってきた人に荷物を介してぶつかってこられたら意地にもなる。

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