財務省、日本郵政株を最大で9.9億株売却 価格は25-27日に決定、需給悪化避けられるか
[東京 11日 ロイター] - 財務省は11日、政府保有の日本郵政<6178.T>株を追加売却すると正式発表した。発行済み株数の22%を市場で1.3兆円売却するのに併せ、郵政が0.1兆円の自社株を買い取り、最大で1.4兆円の復興財源を確保する。
民営化案件で初めて需要動向に応じた「売却調整枠」も設け、大型売却に伴う需給悪化を回避したい考え。
政府が郵政株を売却するのは2015年11月の株式上場以来1年10カ月ぶり。
今回の売却では、保有する9億1393万7600株を対象に1.2兆円を確保したうえ、7616万1500株を追加売却する新たな調整枠を設けた。追加売却分は0.1兆円に相当し、販売が好調なら市中売却分は1.3兆円となる。
一方、郵政が実施する自社株買いで0.1兆円を確保。郵政株の2次売却で政府が確保する復興財源は最大で1.4兆円となる見込みだ。日本郵政が自社株買いに踏み切るのは上場後の15年12月以来となる。
売却価格や実際に売り出す株数は9月25日から27日のいずれかに正式決定する。株式の受け渡しは価格決定日の4営業日後を予定しており、郵政株の追加売却は、早ければ今月29日に完了する。
日本郵政によると、同社の発行済み株式総数は17年3月末時点で45億株。政府保有分は36億2209万8300株で、追加売却に伴う政府保有比率は80.49%から50%台後半に低下する。
政府は、15年11月の新規公開と今回の追加売却以外にも郵政株売却のタイミングを探り、22年度までに復興財源4兆円を確保する。
(山口貴也)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら