五輪後の中国経済 土地バブル崩壊、社会不安への懸念

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五輪後の中国経済 土地バブル崩壊、社会不安への懸念

民主党参議院議員・藤末健三

 北京オリンピックでは、すごい勢いで中国勢がメダルを獲得した。
 
 これを見ていると中国の勢いを感じるが、筆者はオリンピックが終わったらどうなるのだろうか?と常々疑問を持っている。実際、オリンピックの経済効果は、0.4%くらいだと言われており、オリンピックが終わっても経済には影響ないとも言われるが、果たしてそうか?

オリンピック後の中国の景気を考えてみたい。

減速する経済成長

中国の経済成長率は減速しつつある。今年の第1四半期は10.6% 第二四半期10.1%とやっと2ケタを維持している状況だ。筆者はオリンピック後、この減速がさらに進むと見ている。

まず、今後一層、サブプライムローン問題の影響が出てくることが懸念される。統計をみると、中国の対米輸出依存度はドルベースで1980年の約5%から1995年には約17%に上昇し,2006年には21 % に達している。
 
 中国経済を支える輸出は大きくアメリカ市場に依存しており、サブプライムローン問題の出口が見えない中で、中国の経済成長を支える輸出が減速するのは確実である。7月末に、上海市の貿易投資部門のトップと話をした時、彼も輸出の減少を認めていた。ただ「輸出需要が減少しても、まだ輸出需要に完全に対応できているわけではなく、生産はフル稼働であり問題はない」と言っていた。
 
 また、原油価高騰と穀物価格の高騰の影響が今後大きく出てくるだろう。

すでにこの春から自動車販売が減少したとの情報もある。消費者物価(CPI)で見たインフレ率は、今年の上半期に前年比7.9%と、昨年年間の4.8%を大幅に上回っている。物価の上昇は国内の消費を冷やすことになるだろう。まだまだ内陸部には消費の力があると言われるが、食料価格の上昇は所得が高くない内陸部には大きな影響を及ぼすはずだ。

バブル崩壊の危険性

上海株式市場が、五輪開会式の日に急落した。

上海株式市場は2007年10月をピークに下げ続け、ピーク時に比べると半値以下になっている。ただ、ピーク時の株価収益率(PER)は70倍もあり、これは日本のバブルのピーク時に匹敵する高水準だった。このため、株価が適正な水準に向かっているとも言える。株価の下落自体はそれほど大きな問題ではないと考えるが、株安が地価に波及すると問題が大きくなるのではないだろうか。

現在、中国は、世界の建築需要の半分を占める世界最大の土木建築国家である。ハイウェーが毎年5000キロ建設され、2012年には8万キロとアメリカの9万キロとほぼ同じになる。加えて、毎週、新しい発電所がひとつ誕生している(愛知大学馮昭奎教授資料より)。実際に大連や杭州などの地方都市に行っても、高層建築がどんどん建っている。

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