LIXIL、大型買収でまずは北米攻略 国内はエディオンへ出資も、シャープ支援は否定
シャープ支援問題や、家電量販大手・エディオンとの資本業務提携発表などで注目される、住宅設備国内最大手のLIXILグループ。同社は米国での大型買収が成立したことを受けて、その狙いと詳細をあらためて明らかにした。
北米の衛生陶器首位を531億円で買収
LIXILグループは、北米最大の衛生陶器メーカーであるアメリカンスタンダード(ASB、本社・米国ニュージャージー州)を8月20日付で完全子会社化し、28日に東京都内で発表会見を行った。
ASBの買収額は負債の引き継ぎ分も含め約531億円(1ドル=98円換算)。LIXILにとっては、2011年に約600億円で買収した、イタリアのカーテンウォール(建材の一種)世界最大手、ペルマスティリーザに次ぐ大型買収となる。
LIXILは、「住生活産業におけるグローバルリーダーとなる」ことを経営ビジョンに、売上高3兆円(うち海外1兆円)、営業利益率8%を中期的な目標として掲げている。その実現に向けて、海外の新たな市場への進出は重要戦略の一つだ。
LIXILの2012年度の海外売上高は2051億円であり、営業利益率は1%にすぎない。藤森義明社長は、「先に買収したアメリカンスタンダードのアジア太平洋部門(09年買収)とペルマスティリーザを核として、15年度までに、海外売上高は3000億円を超える水準に拡大する見通し。そこに今回の買収が加わることで、4000億~4500億円が視野に入ってきた」と説明する。
LIXILとしては、さらなる買収機会の物色をする一方、買収した会社の成長力を引き出し、既存事業とのシナジーを高めることも課題だ。
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