LIXIL、大型買収でまずは北米攻略 国内はエディオンへ出資も、シャープ支援は否定

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リストラが一巡したところで、成長路線への舵を任されたのが、この8月で就任20カ月目となるゴールド社長であり、今後は、LIXILの財務的な後ろ盾を得て、ブランド再建やマーケティング活動の再開、M&Aなどの積極策に打って出る構えだ。

ゴールド社長は、LIXILグループ傘下に入ることで、2016年までに年平均6~8%の売上高の成長と、粗利率26%(現状から5%ポイント改善)、営業利益8%以上(同)の達成を数値目標として掲げる。

また、現状で、同社は衛生陶器では北米首位の座を維持しているが、浴室や水栓器具など水回り製品全体ではコーラー社に次ぐ2位(11%)の地位にある。「5%ポイントのシェアを獲得し、トップを狙う」(ゴールド社長)としている。

国内ではエディオンに出資も、シャープ支援は否定

LIXILグループ全体でいえば、国内でもリフォーム事業強化の一環として8月26日に家電量販店・エディオンへの出資(持ち株比率8.0%の筆頭株主に浮上)を発表。また、決定事項はないとLIXIL側は否定したままだが、シャープへの出資の可能性も取り沙汰されている。

ただ、今回のASB買収は中期計画達成のため、という大きな目標には沿っているものの、LIXILグループの株価は6月末のASB買収発表後、2割前後も下落。買収の費用対効果に対する市場の評価はやや冷ややかにも見える。

規模拡大に向けた買収戦略の「次の一手」もさることながら、ペルマスティリーザやASBなどの世界的な有力企業と、LIXIL固有の強みとを結びつけ、どう具体的な成果に結びつけていくのか。グローバル経営の力量が問われるのはまさにこれからだろう。

勝木 奈美子 東洋経済 記者

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かつき なみこ / Namiko Katsuki

環境・水処理機器、プラントメーカーなどを担当。現職はメディア編集部長

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