名古屋を中心とする中部地方は首都圏や近畿圏に比べると絶対数は少ないものの、トヨタ自動車をはじめとして大きな経済圏を形成。日本を代表する企業を擁する地域の一つだ。
東洋経済オンラインは上場企業3205社を対象に各社の40歳社員の年収を推計。全国5地域(「東京除く関東」「東京」「中部」「近畿」「北海道・東北、中国四国、九州沖縄」)に分けてまとめた。
これまで「東京都トップ500社」「東京都ワースト500社」「東京都除く関東325社」「近畿580社」の40歳推計年収ランキングをお届けしてきたが、第5弾として中部圏(愛知、岐阜、静岡、三重、福井、石川、富山、新潟、山梨、長野の各県)に本社を置く401社のランキングを公表する。
『会社四季報』の本社欄に掲載した本社所在地が中部圏となっている会社のうち、単体の従業員数が20人に満たない場合や平均賃金の発表がない企業は除いた。有価証券報告書(2015年6月期~2016年5月期)の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「平成26年賃金構造基本統計調査」を基に試算した。
40歳は人生でも社会人でも中間点。上場企業が発表する平均年収は年齢がバラバラのため、比較条件をそろえてみることで、あくまで理論的に割り出した推計値ながら一定の目安となるはずだ。
グループ企業については、全体で連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基データとして使用している有価証券報告書のデータが単体会社のものであるため、単体の年収数字となっている。また、純粋持ち株会社は本社の中枢機能を担う社員のみで成り立っているケースが多く、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある。こうした純粋持ち株会社について、原則としてランキングの対象から除外していることも、併せてお断りしておきたい。
1位はファナック、700万円超は37社
1位はファナックの1262万円。中部圏では唯一となる1000万円超の水準だ。工作機械用NC(数値制御)装置で世界首位のメーカーで、産業用ロボットなどでも力がある超優良企業として名高い。本社の山梨県に勤める社員は、大都市に比べて相対的に安い物価からゆとりのある生活を送っていることだろう。
2位はトヨタ系の総合商社、豊田通商の971万円で、3位は鉄鋼と機械の専門商社である岡谷鋼機の907万円と、2、3位には愛知県の商社が続いた。4位は首都圏や西日本も含めて広範囲で事業を展開する新潟県のゼネコン福田組で872万円。トヨタ自動車は5位869万円で、このほか9位豊田自動織機(799万円)、13位デンソー(767万円)など、トヨタ系の有力企業が上位に名を連ねている。
【10月12日15時追記】ランキング対象の企業に一部集計漏れがあったため再集計を行い、当初は「中部地方401社」ランキングとなっていましたが「中部地方427社」として、再公開しました。