台所用スポンジは、やはり衝撃的に汚かった 少なくとも1週間に1回は取り替えよう
その1:スポンジに危険な菌をつけない
スポンジを使って食べ残しを取り除いたり、生肉から出た肉汁を拭き取ったりしないこと。また、野菜や果物に付いている土、低温殺菌されていない牛乳、嘔吐物、ペットの排せつ物などをスポンジで処理しないこと。ペーパータオルや洗剤を使うか、水で洗い流そう。食事を準備する場所には、病気の人は入れないようにしよう(読者からの質問に答えると、生野菜しかない完全菜食主義のキッチンも例外ではない)。
また、2次汚染を防ぐため、調理者は手を(正しい方法で)洗い、スポンジを用途によって使い分ける。たとえば、皿を洗うためのスポンジ、キッチンカウンターを掃除するスポンジ、床用のスポンジなどだ。米食品安全検査局の広報・消費者教育部の担当者によると、正しく手を洗うには、指輪などは外し、せっけん水で20秒間洗い、清潔なタオルで手を拭く。
その2:スポンジを清潔に保つ
ノフィマのランスラッドは、スポンジは使用するたびに洗うべきだと言う。この点はエーゲルトの研究結果と少し食い違うように感じられるが、エーゲルトはスポンジの提供者がスポンジを正しく洗えていなかったと考えている。また、いくらか手をかければ、スポンジから大半の殺菌を除去できる。ただし、以下の方法は、一般の人にとってはあまり現実的ではないかもしれない。
米農務省で食物由来の病原菌を研究するマナン・シャルマらが2008年に行った研究では、スポンジを牛ひき肉につけた状態で2日間室内に置き、スポンジが細菌だらけになったところで、一般的な洗浄方法をいくつか試した。この研究によると、一部の細菌やカビやイースト菌に関しては、電子レンジでの加熱と皿洗い機の活用が最も効果的だったという。
しかし、この方法には注意が必要だ。合成繊維や金属性のスポンジ、あるいは乾いたスポンジを電子レンジで加熱すると、発火するおそれがあるのだ。電子レンジや皿洗い機にはさまざまなモデルがあり、温度には注意しなければならない。温度や時間、蒸気が不十分だと、逆に細菌が急増してしまう。さらには、スポンジは湿った状態でなければならない。専門家によると、蒸気で多くの菌が死ぬのだという。
ランスラッドによると、細菌の数を減らすには、スポンジを乾燥させることが「簡単で安価、また環境に優しく効果的な方法」だという。なぜなら、湿気を好む細菌は乾いたスポンジの中では(多くの場合)増殖できないからだ。
目に見える部分はきれいになるけれど…
その3:スポンジに未練を持たない
ただし、スポンジの汚染を防ぎ、洗い、乾燥させても、キッチンにいる一部の細菌はスポンジの中で増えていくという。ランスラッドによると、「乾燥に強い細菌もいて、そうした細菌は食べかすや自分でつくった粘液の中で身を守る」という。「そのような細菌と戦うのは不可能だ」。
ランスラッドは次の点に関してエーゲルトと同意見だ。「スポンジを少なくとも1週間に1度は取り替えること。あるいは、におうようになったら取り替えること」。そして、家にがん患者のような病人がいる場合は、毎日スポンジを新しいものに替えるべきで、スポンジを再利用しなければならない場合は、滅菌して、衛生状態に影響しにくい場所で使わなければならないとランスラッドは言う。
カンザス州立大学でキッチンでの2次汚染を研究するケビン・ザウアーは、スポンジに関して問題なのは、あまり意識が向けられないことだという。スポンジはつねに流し台に置かれていて、ぬれたままで、汚れていく。「私たちは子どもの頃から、とにかくスポンジを使ってきた。なぜなら、スポンジを使えば目に見える部分はきれいになるからだ。私はスポンジを敵視しなくていいと思うが、細菌が増える場所にはなっている」。
(執筆:Joanna Klein記者、翻訳:東方雅美)
© 2017 New York Times News Service
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら