風見しんごが初告白した「娘の死」からの10年 さらなる悲劇、それでも家族は強く生きる

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幼い我が子を2度も失うという悲しみ。それでも、妻・尚子さんは夫にこんな決意を打ち明けた

「私 産むことにしたから」(尚子さん)

何と、尚子さんは、亡くした胎児を帝王切開で取り出すのではなく、通常分娩で産むことを決めたのだ。

「母親なので…。こころに関しては家族全員に前を向くキッカケをくれたのに、何もしてあげられない。母親として、えみるも普通分娩、ふみねも普通分娩だったので、こころも普通分娩で産みたかったです」(尚子さん)

2008年6月28日、尚子さんは産声を上げることのない我が子を出産。こころちゃんを自宅に連れ帰ると、その晩、夫と3人で寝たという。

尚子さんは、こころちゃんを抱きしめながら心の中で囁きかけた。「こころ!!天国には本当に優しくて面倒見の良い、えみるがいてくれるから安心してお姉ちゃんに甘えるんだよ!」

今回の妊娠で得られた喜びは、亡き長女からのメッセージ。そう受け取った妻は天国の我が子たちに誓った。

「えみる こころ 見ててね!ハハは頑張るから」(尚子さん)

度重なる試練を乗り越えた家族は今

長女・えみるちゃんを失って10年。風見ファミリーは今、どんな暮らしをしているのか?妻・尚子さんと次女・ふみねちゃんの近況を聞いてみると、なんと2人は日本にいないのだという。

現在、14歳となったふみねちゃんは、アメリカのハイスクールに進学。ロサンゼルスにほど近い、オレンジカウンティという街で、妻・尚子さんと2人で暮らしている。風見さんはその間、東京に1人残され、逆単身赴任状態。

「よく考えたら…“人生劇変”は、僕ですね!本当に!」(風見さん)

風見さんは「逆単身赴任」状態。娘に会ったのも3カ月ぶりだった

そんな風見さんが、3カ月ぶりに、アメリカに住む家族と再会するというので、スタッフも同行させてもらった。えみるちゃんが、亡くなった当時、まだ3歳だったふみねちゃんは今――。

ロサンゼルスの空港に到着した風見さんを出迎えたのは、背も高く伸び、すっかり大人ぽくなったふみねちゃん。小さい頃は、内向的な性格だったが、今では

「すごく積極的になったし、どこいっても友達すぐ作るし、凄く変わりました。」(尚子さん)

そんなふみねちゃんの下を、3カ月ぶりに訪ねた風見さん。そこには、ある目的があった。それは、ふみねちゃんの14歳の誕生日。実は、風見さん夫婦にとって、ふみねちゃんの誕生日には、ある特別な思いがある。長女えみるちゃんを、10歳という若さで失った尚子さん。ふみねちゃんの10回目の誕生日が近づくにつれ、無事にその日を迎えられるか、不安だったという。

「主人も『あと何日、あと何日』って数えていたらしいですけど、私も『あと何日、何日』って。でもお互い怖くて言えなくて、後でやっぱりカウントダウンしてたんだって」(尚子さん)

以来、尚子さんは、ふみねちゃんの成長に感謝しながら、誕生日を大切に祝うことにしているという。

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