日野とも握手 協業を加速するいすゞの新戦略
いすゞは新中計において、「技術力の蓄積」を課題の1つとして掲げた。会見では具体論に踏み込まなかったが、今後の成長戦略のポイントは新しい提携戦略にある。(『週刊東洋経済』9月8日号より)
トラック業界再編の機運が高まる中、国内大手のいすゞ自動車は経営戦略を転換する。
同社は8月28日、2008年度から10年度までの新中期経営計画を発表した。売上高2兆円(06年度比20%増)、営業利益1500億円(同40%増)を目指す。「世界のトラック市場はこれから成長する」。会見の席上、細井行社長は終始強気だった。
業界には再編の波が押し寄せている。07年3月に、日産ディーゼル工業が北欧トラック大手ボルボの完全子会社となった。トヨタ自動車傘下の日野自動車、独ダイムラークライスラー傘下の三菱ふそうトラック・バスと合わせて、これで国内トラック4社のうち3社が巨大メーカーの子会社化したことになる。
残ったいすゞをめぐる経営環境も目まぐるしく変化した。06年4月、米GMとの35年にわたる資本提携を解消。一方で同年11月に、トヨタが資本参加(現出資比率5・8%)。こうした状況下、いすゞは新中計において新しい提携戦略を打ち出した。