この場合、取引金融機関とその担当者との「縁を切らせる」ことが大事だ。同じ会社や担当者と付き合い続けていると、また別の悪いバイ菌(的な金融商品)に感染する可能性が大きい。
親御さんが、「任せている」、「いい人だ」、「心配ない」の何れかの言葉を一つでも口にするようなら、多少険悪な雰囲気になっても、どこの金融機関で何を持っているか、明細を確認すべきだ。
「個人向け変動金利国債」を使った巧妙な手口に注意
最近まで某大手証券に働いていた方(女性)から聞いた、巧妙で(顧客にとって)危険な「手口」を一つご紹介しよう。それは、「個人向け国債変動金利型10年満期」を使うものだ。
「個人向け国債変動金利型10年満期」は、(1)銀行預金よりも安全で(特に1000万円以上の場合)、(2)長期金利上昇(つまり国債暴落)にあっても元本割れせず、(3)現在のメガバンクの定期預金金利(0.01%くらい)よりも僅かだが高い利回りだ(最低利回りが0.05%に設定されている)。つまり、安全におカネを運用したいと思う場合、素晴らしく有利な商品だ。
しかし、販売会社側からすると、販売額の0.5%(100万円売っても5000円)しか手数料が入らず、そうであるにもかかわらず、資金が10年間寝る(=動かない)可能性の大きな収益性の低い運用商品だった。
ところが近年、証券会社は、しばしばこの「個人向け国債変動金利型10年満期」を0.5%に近いキャッシュバックまで付けて積極的にキャンペーン販売している。
一体、どうするのかというと、「個人向け国債変動金利型10年満期」を買ってから1年経ったお客様に対して一斉に電話するのだという。
やりとりは、おおよそ以下のようなものだ。
証券「お客様の個人向け国債は、今なら元本割れせずに換金できます。ついては、もっと利回りの高い商品があるのですが、ご説明させて頂いて宜しいでしょうか」
顧客「えっ。個人向け国債は、1年分の利息を払わないと換金できないペナルティがあるのではないですか」
証券「仰る通りなのですが、1年分の利息は、お客様が購入された時にキャンペーンで差し上げていたではないですか。お客様が、個人向け国債を解約されても、ご損にはなりません。ついては、こちらの商品は…(以下、セールスが続く)」
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