堤大介氏が高校生に説く「why?」の重要性 世界的イラストレーターが半生を語った

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トンコハウスは、ピクサー時代に『ダム・キーパー』を制作した日系米国人、ロバート・コンドウ氏と共同で設立。アカデミー賞へのノミネートが決まる前に、2人でピクサーを辞め、2014年に独立した。

名前の由来は「豚」と「狐」。アニメ制作会社にある「スタジオ」と名付けず「ハウス」とした理由は、いろんな人が訪れたり、帰ってきたりする場にしたかった、という思いがあった。その思いどおり、さまざまな新しい才能が、トンコハウスに集まってきている。

8月4日からHuluで配信される短編『ピッグ 丘の上のダムキーパー』。ピクサーからの新たな仲間を加え、カリフォルニアと日本のスタジオでの制作態勢が取られている(筆者撮影)

同じくピクサーの同僚で、『メリダとおそろしの森』『インサイドアウト』『ファインディング・ドリー』でアニメーターを務めたエリック・オー氏もトンコハウスに参加。同氏が監督を務める新しい作品『ピッグ - 丘の上のダム・キーパー』が、トンコハウスの最新作品だ。

『ピッグ 丘の上のダム・キーパー』 は、8月4日から、毎週金曜日にHuluで配信されている

セリフのない無声映画ながら、柔らかい世界観と、時にはシュールさや笑いをもたらしながら、かわいらしいキャラクターの内面が描かれている、心温まる5分間。日々の生活の中から共感を呼び起こしたり、心洗われる気持ちになったり、見る者の感情をついつい揺り動かしてしまう、そんな作品に仕上がっている。

「米国と日本のコラボ」がテーマ

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堤大介氏は、トンコハウスのプロジェクトについて、「トンコハウスのミッションのひとつに、米国と日本というアニメーション大国のコラボ」というテーマを掲げており、今回の短編作品についても、カリフォルニアと日本を拠点とした態勢で制作に取り組んだという。

9月には3部作のグラフィックノベルの第1巻がリリースされ、この3冊を基にした長編映画を2020年の公開を目指して、制作中だ。

「高校生のとき、絵なんて描いたことがなかったし、絵の勉強をしているときも、将来、自分がアニメーションスタジオを開くなんて思っていなかった。でも、“なぜ”を明確にすることで、やることや目的がつながっていきます。これからも、見ている人に何かを伝えたい。そのために、箱や枠の外に出て考える。そんな能力を育てることが、クリエーティブなんじゃないか、と思います」

東北から来た100人の高校生へのメッセージは、少しでも閉塞感を感じたことのある大人にも、強く響く言葉となった。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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