パリの駅ナカ「星付きシェフ」が続々と出店へ 多忙な人向けに短時間、低価格で高級料理を

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要望とあれば、実現に向け、実際に行動するところがフランスらしい。

SNCFは、世界的シェフ、アラン・デュカス氏をオーナーシェフとして迎えることを決断した。2019年、パリ・モンパルナス駅構内に新たに彼のレストランを開業する。

デュカス氏は世界の料理界において、“偉大なるボス”と称される。モンテカルロのホテル・ド・パリ内で営むレストラン「ルイ15世」はミシュラン3つ星。先日のフランス革命記念日でも、エマニュエル・マクロン仏大統領、ドナルド・トランプ米大統領両夫妻の晩餐会を指揮した。その彼がモンパルナス駅にレストランを構える。わがままなパリジャンたちの期待値も、いやがうえにも高まる。

さらに、SNCFでは、フランス北東部の地方都市メスでも同様の施策をこの10月から開始。メス・ヴィル駅内に、パリ・ヴァンドーム広場に面するホテル・リッツで料理長を務めたミッシェル・ロット氏をオーナーシェフとして迎え、レストランを開業。彼もまた、ミシュラン2つ星を獲得している。

パリ東駅でもプロジェクトが進行中

ロペール氏は「駅をCity Booster(シティ・ブースター)と捉えている」と話した。都市の起爆剤のような意味合いで、すなわち、駅をその地域の経済や、都市の活動を活性化させる出発点となりうる存在にしたい、と。

SNCFガール・エ・コネクシオン社CEOパトリック・ロペール氏。パリ本社にて(筆者撮影)

「料理はフランス人にとって歴史であり、文化です。同時にレストラン事業は十分に発展しうる、そして、われわれが発展させたい注力ビジネスです。パリだけでなく、地方の駅においても、その地方出身のシェフを起用して、その土地の郷土料理を駅利用者に提供する。そして、将来的に、そのシェフがフランスで、あるいは、世界的なスターになれるよう努力していきます」

現在、パリ東駅においても、新たなレストラン・プロジェクトが進行する。オーナーシェフの選定も終了、最終的な契約段階にある。9月初めに、その開業時期、シェフの名前が公式発表される。

佐藤 栄介 ジャーナリスト

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さとう えいすけ / Eisuke Sato

青山学院大学でフランス文学専攻。デパート、商社勤務を経て、2012年から鉄道専門誌編集部所属。大学在籍時の南仏ニース留学経験を生かし、アルストム車両製造工場(ラ・ロシェル)、SNCFテクニサントル(パリ東)など、フランス取材に強みを持つ。パリ・サンジェルマンFCの熱狂的ファンでもあり、ヨーロッパ取材時には欠かさず試合に通う。

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