ナイトプールにインスタ女子が殺到する理由 夏のホテルを写真スポットに、各社が争奪戦
20代前半の女性が主要顧客のため、入場料は女性4200円、男性6000円と、ほかホテルよりもやや低めに押さえた。昨年は完売といった事態も起きたので、今年は2倍超の余裕がある東京プリンスのプールで実施する。
京王プラザホテル(新宿区西新宿)は6月下旬から屋外プールの営業を開始。入場料は外来客で平日昼間が5000円から。ただ、保健所の方針で「他社のようにプールサイドで食事や飲み物を提供することができない」(同ホテル)という。
そこで、プールとホテルの食事がセットになった「マーメイド」プランを導入。今年の場合、4500円相当のランチにプールの入場券がついて総額5500円という価格に設定している。
京王プラザはセット戦略で4倍増に
2015年に開始し、2年目となった昨年は「プランの利用件数が約1000件から4000件に増えた」(京王プラザホテル)。
今年はヤドカリやアザラシなど海の生き物をイメージしたスイーツビュッフェをセットにしたプランを投入するなど、前年超えを目指している。
ほかにも、グランドニッコー東京 台場(港区台場、旧ホテル グランパシフィック ル・ダイバ)や、ハウステンボスは「お台場みんなの夢大陸」内に7月15日から期間限定のプールを開業、夜間はナイトプールも行っている。
こうした外来客を受け入れ、イベントを実施するようなホテルもあれば、宿泊者限定にしているプールもある。
プリンスホテル新高輪は宿泊者限定でガーデンプールを営業、一部の夜にはDJを招いたイベントも実施するが、「非日常的な雰囲気やリラックスした雰囲気を楽しんで欲しい」と説明する。
ホテル業界に詳しい、大橋菜央・じゃらん統括編集長は「10~20代の女性の40~50%がSNSの情報を行動動機にしていることが要因ではないか」と分析する。
利用者にとっても、高い料金や宿泊者限定ということで混雑せずにプールを利用することができる。「優雅で非日常的な体験ができて、SNS(に写真を載せること)で多くの”いいね”を集められる」(大橋氏)と、トータル費用で考えれば高くないと考えているのかもしれない。
ホテル側にとっても、屋外プールは夏場の数カ月しか稼働せず、ともすれば収益的には重しになってしまう。そこで入場料で高単価を取るか、採算性の高い宿泊とセットになったプランを販売するなど、顧客の取り込みに躍起になっている。
はたしてインスタ女子は振り向いてくれるのか。今日から夏の戦いが本格化しそうだ。
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