効果は見えない?「時差Biz」本当に定着するか

混雑緩和「数字は出ないかも…」

運行開始初日の11日はカメラを構えた鉄道ファンの姿が目立ったが、「時差Bizライナー」は本来のターゲットである通勤利用者からも一定の注目を集めているようだ。

東急田園都市線「時差Bizライナー」のヘッドマーク(記者撮影)

初日の列車に乗った、渋谷まで通勤する40代の男性は「普段はもっと遅い時間の出勤だが、停まる駅の少ないこういう列車が増えるなら今後も使いたい」。毎朝5時台の電車を利用して時差出勤を実践している別の40代男性は「混雑を避けるために早朝に出ているが、普段からこんな列車があるといい」と話した。

中には、最寄り駅が藤が丘(中央林間より8駅渋谷寄り)にもかかわらず「試しに乗ってみようと思った」と、中央林間からあえて乗った女性も。通常は7~8時台の列車を利用しているが「朝早く出て、お茶でも一杯飲んでから仕事というのもいいと思う」と、早朝出勤に前向きな様子だった。

東急によると、「ライナー」を今後も運転するかどうかは未定だが「今回の状況や、お客様の意見も踏まえて検討していきたい」という。

なかなか難しい「混雑の分散」

3月1日付の記事「『満員電車ゼロ』に時差通勤はどれだけ有効か」では、データを基に、都内主要路線の最混雑区間で1日のうちラッシュ時にどれだけの利用者が集中しているかを試算した。その結果は、2011年度の時点で平均26.4%。1日の輸送量の約4分の1が朝のわずか1時間に集中していることになる。これが分散すれば、通勤ラッシュは多少なりとも緩和されるはずだ。

今回の「時差Biz」に合わせて積極的な取り組みを行っている東急は、田園都市線の混雑緩和が大きな課題の一つだ。同線は、最も混み合う時間帯の混雑率が184%(2015年度)に達するが、ピーク時の増発は限界。今年4月のダイヤ改正では早朝の列車増発を行ったほか、以前から早朝の利用でポイントを取得できる「早起きキャンペーン」などを行い、ピーク時を避けた利用を促進している。

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