たった23議席!自民党「歴史的大敗」の衝撃 安倍首相は深刻な危機にどう対応するのか

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2009年の選挙では8議席だった日本共産党は、2013年17議席、そして今回は19議席を獲得した(筆者撮影)

「現有議席を獲得し、2議席を上積みできた。われわれが支持した山内玲子氏を含めると20議席になる。重要な躍進を勝ち取った」。7月3日午前0時10分、日本共産党の志位和夫委員長は党本部で“勝利宣言”を述べた。

実際に共産党はかなり好調だ。2009年には8議席だったが、2013年には17議席、そして今回は19議席。2度連続して議席数を伸ばしたのは1981年と1985年から32年ぶりのことだという。

民進党はたったの5議席

その一方で5議席にとどまった民進党は、自民党から漏れた票の受け皿になり損ねている。森友学園問題や加計学園問題で「真実を隠さないで説明を」と訴えても、蓮舫代表の二重国籍問題はあやふやなまま。戸籍謄本を示せばいいだけだが、本人がそれをかたくなに拒否している。

党内も不気味だ。選挙前から蓮舫代表の責任問題は噴出しているものの、蓮舫降ろしの具体的な動きは見えない。選挙直後に代表会見も幹事長会見も行われず、馬淵澄夫選対委員長が声明を明らかにするにとどまった。

さて自民党の歴史的敗退の原因をつくったともいえる安倍首相は7月2日夜、都内のフレンチレストランで麻生太郎副総理兼財務大臣や菅義偉官房長官、甘利明前経済再生担当大臣と会食し、今後の対応を協議したと報じられた。「今後の対応」とは臨時国会の開会時期や内閣改造の陣容のことだろう。

メンツの中に二階俊博幹事長が含まれていないのは、敗戦の責任を押し付けて次期党役員人事で外されることになるからなのだろうか。また甘利氏が含まれているのは、菅氏を幹事長に異動させ、官房長官に抜擢するつもりなのだろうか。

しかし裏金疑惑が噴出した下村氏が、都議選の責任を取って都連会長を辞任した今、UR問題で大臣を辞任した甘利氏をもし抜擢するのなら、悪い冗談としか思えない。

そもそも安倍首相は6月26日の文京区、30日の小金井市、そして7月1日の秋葉原(千代田区)と、都議選では3度応援をした。そのうち文京区で自民党は辛勝したものの、小金井市と秋葉原では敗退している。わざわざ負けが明らかな戦に首相を応援させたとは考えにくいが、その責任は誰が取るのか。

あと1年半以内に衆議院選挙が行われる。それまでに立て直しをできるかどうか、2021年までの長期政権を狙う安倍首相にとって、正念場といえるだろう。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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