企業に「サウナ部」が続々と誕生する理由 もはや中高年男性だけの娯楽場ではない!
宴会後は自由解散となるが、全員がまたサウナに戻っていった……。「飲み食いしたものをプラマイゼロにする」のだとか。同社はこうした活動を、月1回程度のペースで行う。7月は週末を利用して初の静岡遠征を実施する予定だ。
サウナ中も「学び」あり
コクヨエンジニアリング&テクノロジーにもサウナ部がある。活動は月2回程度で、部員は28人。同社サウナ部代表の川田直樹さん(32)は、仕事へのプラスの影響をこう話す。
「仕事上の不安を持っていても、普通は直属の上司に相談するしかない。しかし、サウナ部には新人から中堅クラスまで、様々な部署から人が集まっている。世代や部署を超えて、業務上の悩みなどを共有でき、アドバイスもできます」
また、同社ならではの「学び」もあるようだ。
「オフィス空間を作るのが我々の仕事ですが、サウナの施設にもヒントはあります。自然と素材などに目が行き、みんな壁とかをずっと触っています(笑)。建築士の資格試験にも、温浴施設に関する出題があるんです。会社自体も資格者を出したいという考えもあり、サウナを楽しむだけでなく、勉強にもなっています」(川田さん)
健康効果も、仕事にプラスの影響をもたらしている。結婚式場の口コミサイトを運営する「みんなのウェディング」サウナ部代表の瀬尾圭太さん(34)は、「業績に悩んでいる社員はサウナに行き、前向きになってほしい」と話す。
「基本はサウナ、水風呂に入り、休憩をする──その流れが1セット。サウナで血管が拡張され、水風呂で収縮する。全身に血が回り、乳酸(疲労物質)も汗で出る。自律神経が整い、気持ちもポジティブになります」
瀬尾さんは営業本部長として、すべての営業社員の成績を見る立場だ。サウナ部員のいる部署は、予算達成が早いと確信している。他社のサウナ部同様、サウナ部がコミュニケーションの活性化にも一役買っているというが、サウナ内での座り位置に上下関係はないのだろうか。
「サウナ室の座る場所は、大別すれば三つに分かれます。最も熱い通気口の下、次いで上段、下段の位置になります。慣れている人間が熱い位置に座り、できるだけ同じタイミングで出たり入ったりできるようにしています。そこに会社での立場は関係ありません」(瀬尾さん)