企業に「サウナ部」が続々と誕生する理由 もはや中高年男性だけの娯楽場ではない!

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サウナ効果が業績に直結するかは定かでないが、日本サウナ・スパ協会理事で事務局長の若林幹夫さんは、効果をこう話す。

「一日中パソコンに向かっている人も多く、肩こりに悩むビジネスパーソンは多い。サウナ浴で血流がよくなると肩こりもなくなり、汗とともに乳酸も排出される。サウナと冷水の交代浴により自律神経の乱れを治し、不眠や食欲不振の解消、精神状態も安定します」

Retty/部員数:15人、おすすめサウナ:マルシンスパ(東京都渋谷区)、サウナハットをかぶる同社サウナ部長の畑上さんの手には、サウナのロッカーキーをデザインした腕時計が。こだわりはさすが(写真:写真部・東川哲也)

今回、各社にサウナ部の結成の経緯を尋ねた。どの部も熱心なサウナー社員の声掛けから始まっていた。グルメ情報の実名口コミサイトを運営する「Retty」のサウナ部は、畑上英毅さん(31)が部員を集めた。畑上さんはサウナに通って15年。今では週に6回は通う強者だ。

畑上さんは昨年4月に入社したばかりだが、すでに部員は畑上さんを含め15人。従業員数は100人だから、かなりの割合と言える。サウナの本場、フィンランド出身の社員もいる。本国のサウナには水風呂がなく、最初は驚いていたという。

活動は月に1回程度。他社との違いは、サウナ後に施設内で食事をとらないことだ。

「食事をする場所は自社が運営するグルメ口コミサイトで選んでいます。いつかは、サウナの口コミサイトも作りたい」

そう畑上さんは夢を語った。

飲み会以外の楽しみ方

6月6日、東京・錦糸町にあるサウナ「ニューウイング」で第3回「サウナサミット」が開かれた。石川県から駆けつけたサウナーも。「申し込みは2日で埋まりました」と吉田健支配人(写真:写真部・小原雄輝)

続々と企業に誕生するサウナ部。中心メンバーは、20代から40代の若手・中堅世代だ。

千葉商科大学講師(労働社会学)の常見陽平さん(43)は、その背景をこう分析する。

「サバイバルゲームやトライアスロンなど、若手のビジネスパーソンを中心に社内での飲み会以外の楽しみ方が増えている。共通するのは面倒くさいこと。一体感が得やすいからです。サウナもその一つでしょう。人と人との関係が希薄化するなか、結局は繋がりを求めている」

今回、各社おすすめのサウナ情報も掲載した。「都心部のサウナは男性限定のところが多く、男女で集まれる場所はまだまだ少ない」(若林さん)と課題もあるが、一度、御社でもチャレンジしてみては。ただし、飲酒直後の入浴や、高血圧など体調に不安のある方はご注意を。

(編集部・澤田晃宏、小野ヒデコ)

AERA 2017年7月3日号

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