孫社長、「後継者はAIではなく人間にしたい」 アローラ氏電撃辞任は「反省していない」 

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最後にあいさつする新任取締役・監査役の面々。取締役会はほとんどが外国人だ(記者撮影)

後継者は人工知能ではなく、生身の人間に

アローラ氏に関連して、後継者についての質問がほかに3問あった。「孫社長が倒れた場合のリスクが大きい。現に今日も風邪をひいている」、「後継者を探すアカデミア(後継者育成機関)は今どうなっているのか」、「孫社長の考え方や志を反映した人工知能を後継者にしてはどうか」というものだ。

孫社長は「ニケシュがいなくなったばかり。これから10年かけて探す」とした。後継者の条件としては、「私とともに重要な役割を担って、気心が知れて、私と同じ方向に経営を引っ張ってくれて、能力・人格に優れた人」とした。アカデミアは「現在も続けていて、やってよかったなと思っている。孫正義育英財団も作った。ただ、アカデミアや財団から出てくる後継者は3代目、4代目、5代目。2代目はすでに活躍している者の中から選ばれることになる」との見通しを示した。

「(孫社長そっくりの)人工知能を後継者にしてくれ」という要望は昨年の総会でも出た。孫社長はうれしそうな表情を浮かべながらも、「生身の人間に後継者になってもらいたい。人間の集団を率いるのは生身の人間がいい」とした。

閉会直後には新任取締役があいさつした。米スプリントCEOのマルセロ・クラウレ氏、10兆円ファンドの運用を担当するラジーブ・ミスラ氏、さらにはアームCEOのサイモン・シガース氏、サウジアラビアの政府系ファンド役員のヤシル・アルルマヤン氏、久々に取締役に戻った元ゴールドマン・サックス副会長のマーク・シュワルツ氏らが発言。一方、退任するヤフーの宮坂学社長も孫社長に紹介されたが、深々と頭を下げ、発言はしなかった。

山田 雄一郎 東洋経済 記者

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やまだ ゆういちろう / Yuichiro Yamada

1994年慶応大学大学院商学研究科(計量経済学分野)修了、同年入社。1996年から記者。自動車部品・トラック、証券、消費者金融・リース、オフィス家具・建材、地銀、電子制御・電線、パチンコ・パチスロ、重電・総合電機、陸運・海運、石油元売り、化学繊維、通信、SI、造船・重工を担当。『月刊金融ビジネス』『会社四季報』『週刊東洋経済』の各編集部を経験。業界担当とは別にインサイダー事件、日本将棋連盟の不祥事、引越社の不当労働行為、医学部受験不正、検察庁、ゴーンショックを取材・執筆。『週刊東洋経済』編集部では「郵政民営化」「徹底解明ライブドア」「徹底解剖村上ファンド」「シェールガス革命」「サプリメント」「鬱」「認知症」「MBO」「ローランド」「減損の謎、IFRSの不可思議」「日本郵政株上場」「東芝危機」「村上、再び。」「村上強制調査」「ニケシュ電撃辞任」「保険に騙されるな」「保険の罠」の特集を企画・執筆。『トリックスター 村上ファンド4444億円の闇』は同期である山田雄大記者との共著。

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