孫社長、「後継者はAIではなく人間にしたい」 アローラ氏電撃辞任は「反省していない」 

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永守氏は「すべて孫社長が正しいなら社外取締役はいらない」と切り出したうえで、「日本電産はハードメーカーなので3000億円以上出せないということ。3兆円には今でも驚いていて一抹の不安はあるが(社外取締役として)最終的に賛成した」と説明した。

永守氏は株主の質問に対して、社外取締役としてARMの買収に賛成したことを説明した(記者撮影)

孫社長は「こうした意見が出るのは、健全な取締役会運営をしている証拠。アームは外から見た以上にいい会社だ。毎日『買ってよかったな』との思いを深くしている」と自画自賛した。

東芝についての質問もあった。東芝の半導体子会社・東芝メモリの買収に参画しないのかという趣旨だった。

孫社長は「直接的、中心的にかかわっていくことは原則として考えていない」と前置きしつつ、「近しくしているパートナー(=台湾・鴻海精密工業を指すとみられる)がやりたいと思っているようなので(例外的に)一部直接的に応援することはあるかもしれない」と踏み込んだ。ただ、「重要な部分を担うことはない」とあくまでも応援であることを強調した。

ニケシュ氏の電撃退任は「反省していない」

昨年に突如退任したニケシュ・アローラ元副社長への高額退職金についても、株主から質問があった。「アローラ氏には総額103億円の役員報酬が支払われ、うち88億円が退職金。高額報酬批判のある日産自動車のカルロス・ゴーン会長よりはるかに額が大きい。アローラ氏に払う分を配当に回せばもっと株主還元ができたはず」という趣旨で、「二度とこのようなことがないようにお願いします」との要望付きの質問である。

孫社長は「数百億円のストックオプションを捨ててグーグルから来てもらうには、同等かそれ以上の報酬を提示しないといけないと思った。ニケシュが貢献した額も大きい」と理解を求めた。

相思相愛だった二人。ニケシュ氏が電撃退任となった理由について、孫社長は明確な説明を避け続けている(撮影:尾形文繁)

アローラ氏が辞めた経緯について、孫社長はこれまで明確な説明をしてこなかった。今回も「後継候補のニケシュへバトンを早期に渡すということの『早期』について見解の相違があった」と従来の主張を繰り返すにとどまった。

二度とこのようなことがないように、という要望に対しても、「どんな人物で、その人物がソフトバンクに合うか、来てもらうタイミングが合うか。(海外から大物経営者を招聘することは)またあるかもしれない。そういう意味ではあまり反省していない」と主張。これには会場からパラパラと拍手があった程度だった。

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