コスパ検証!「MBA」は本当に稼げるのか? 「テキストで自習」では得られない価値とは

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グロービスではまた、2016年に過去の卒業生を対象にした追跡調査も行いました。その結果、およそ9割近い学生が、人生がポジティブな方向に変化したと述べました。回答者の半数以上が選んだ上位項目は、「自分に自信が持てるようになった」「学び続ける習慣ができた」「積極的に行動するようになった」「友人が増えた、友人との関係が良くなった」の4つでした。

また、ポジティブな変化の最大誘因となったMBAの学びは、上位から順に「志の確立」(33.8%)、「論理思考力/考え抜く力」(33.5%)、「人間関係能力/コミュニケーション能力」(21.5%)、「マーケティングや経営戦略などの知識・スキル」(11.2%)となっています。

グロービスでは大学院で達成してほしいこととして、「経営学の学び」「志の醸成」「ネットワーク(人脈)の構築」と何度も言っていますから、それにアンカリングされている面は多分にあるでしょう。因果関係の詳細は不明にせよ、それらが相乗効果を発揮しながら「稼ぐ力」に結び付いていることが推察されます。

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ところで、気になるのは、「マーケティングや経営戦略などの知識・スキル」といった、いかにもMBAで学ぶと思われていること以上に、「志の確立」や「論理思考力/考え抜く力」が高い支持を得ていることです。これをどのように考えればいいのでしょうか?

これはもちろん、知識・スキルに意味がないということではありません。筆者自身も実感していることですが、ヒト・モノ・カネ・情報に関する経営学の基本をバランスよく身につけていないと、自信を持って正しい意思決定をすることはできません。当然、説得力は下がりますし、説得力がなければ、誰もついてきてはくれません。成功している卒業生を見ていても、やはりこうした知識をしっかり習得した人間が多くなっています。

しかし、それらは必要条件であって十分条件ではありません。それをより効果的にするのが、「志の確立」や「論理思考力/考え抜く力」なのです。これらはある意味でMBAの知識・スキルを生かす加速器となるものです。

まず、「志の確立」ですが、どれだけ経営学の知識を表面的に身につけたところで、結果を出すためには、結局逃げずに粘りぬく力が不可欠です。そのベースとなるのが志なのです。

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