ガラスのガリバー、新興国に復活懸ける

旭硝子、中国やブラジルなどに相次ぎ工場増設

旭硝子が一足先に進出したロシアでは、モスクワ郊外に世界最大級のガラス生産(フロート法)設備を建設し、これが稼働した4年前から同国での事業拡大が加速した。

ただ、最近の資源価格の低迷を受けて、ロシア経済の成長には陰りがみえてきた。インフラ投資の勢いも鈍ってきたことから、都市開発向けなど建築用ガラスの需給が悪化し、低価格品普及もあって販価がダウン。ロシアでの事業展開は、今年から来年にかけては成長が鈍化する踊り場となりそうだ。

ロシアでの経験から、旭硝子はブラジル進出に当たって、市況の影響をもろに受ける建築用ガラスよりも、ライバルメーカーと価格のたたき合いになりにくい自動車向けガラスに軸足を置いた戦略を打ち出した。非日系も含めた現地進出自動車メーカーに対する安定供給を勝ち取れれば、ブラジルでは早期の収益寄与によって投資を回収する「垂直立ち上げ」を実現させることができそうだ。

利益柱の電子用が急下降、中国本格進出で挽回

旭硝子の“看板”事業といえば、液晶テレビやパソコンのディスプレー用パネル向けなどの電子用ガラス事業。中でもTFT液晶ガラス基板は、旭硝子が営業利益2000億円前後を毎年稼ぎ、営業利益率2ケタが当たり前だったときの利益柱だったが、今やその輝きは失われた。

電子用ガラス事業の四半期ごとの部門営業利益は、ピーク時の2010年4~6月期には527億円もあった。が、12年4~6月期に180億円へと急落し、その後は200億円前後での底ばいが続いている。

TFT液晶ガラス基板は、数量だけみると、少しずつ回復歩調をみせている。ただし、家電量販店の店頭で液晶テレビの値札をみればわかるように、普及サイズの末端価格は驚くほど安い。旭硝子が素材を供給する単価も下落したままだと、今後は市場を拡大させるか、画期的なコストダウンを実現しないかぎり、利益水準回復の見通しは立たない。

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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。