ガラスのガリバー、新興国に復活懸ける

旭硝子、中国やブラジルなどに相次ぎ工場増設

そこで、旭硝子は中国でTFT液晶ガラス基板の生産を本格化することにした。中国は巨大市場であると同時に、東アジアにおける非日系のディスプレイメーカーの生産拠点でもある。

旭硝子は2011年秋に、江蘇州昆山市の生産拠点を稼働済み(写真)。それに続く第2の液晶用ガラス基板生産拠点である広東省深セン市の工場でも順次生産を拡大させる。

旭硝子は、台湾や韓国にTFT液晶ガラス基板の生産拠点を置いて、現地メーカーと密接な関係を築いてきたことで知られる。今後は、巨大市場の中国大陸でも、2つの生産拠点を置くことで現地メーカーや進出メーカーとの関係を強化し、電子ガラス事業の規模拡大と利益回復を図ることにしたのだ。

ちなみに、電子ガラス事業の新製品としては、スマホやタブレット向けに特殊加工したカバーガラス“ドラゴントレイル”が有力だ。割れにくく軽い特性を持つ化学強化ガラス分野において、先行するライバルの米コーニング社が展開する“ゴリラ”に対抗する形で、最新の人気機種に採用されるなど拡大が続いている。

ただし、化学強化ガラスは、適用範囲がモバイル端末に限られるため、TFT液晶基板との面積対比でいえば生産規模が格段に小さい。今後、太陽光ガラスや自動車内装材、住宅用などに適用範囲が広がらないと、化学強化ガラスの利益貢献度は大きくならない。

インドネシアでは基礎化学品を増強

電気代など製造コストが高い日本では、採算が厳しく生産設備の合理化が相次ぐ基礎化学品。旭硝子は、塩ビ樹脂(PVC)、苛性ソーダなど、クロール・アルカリ製品と呼ばれる素材の生産供給でも大手の一角であり、同業のガラス大手とは別の顔を持つ。

次ページ最終利益は3年で10分の1に
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