東京の「1日乗車券」、なぜこんなに不便なのか 種類豊富だが「都区内全線」乗れる切符はない
1日限定の乗車券としてはほかにモビリス(Mobilis)もある。こちらは観光施設での特典はない代わりに、料金は同じ区間で9.7ユーロと、パリ・ヴィジットの12.85ユーロよりお得だ。仕事でパリ各所を巡る人はこちらを活用するといいだろう。
スイスで唯一の地下鉄が走り、坂道が多いことからトロリーバスも運行しているローザンヌも、パリと同じモビリスという名前で1日乗車券を用意していた。興味深かったのは通常の乗車券にも時間制限が設けてあったことだ。最も安い乗車券は30分で、利用区間が拡大するにつれ、1時間、2時間と有効時間も延長していく。
時間制限を設けている都市はほかにもいくつか遭遇した。
ブリーズというさわやかな名前とデザインの乗車券が用意される米国ジョージア州アトランタの公共交通は、均一運賃である代わりに3時間・4回以内という制限を課しており、旅行者向け切符も日数制限(1日など)と回数制限(10回など)がある。
米国の中でも公共交通整備に力を入れているオレゴン州ポートランドでは、乗車券は2.5時間と1日の2種類でシンプルだ。運賃は前者が2.5ドル、後者が5ドルとなっている。
通勤通学以外で鉄道を使って出掛ける際は、数件の用事をまとめてこなす場合が多いので、距離ではなく時間で区切ったこの体系は納得できるし、料金体系が2つというのはわかりやすい。公共交通を積極的に利用してもらうにはどうすべきか。ポートランドは真剣に考えていると思った。
普通の切符もチャージ式
シンガポールでは普通乗車券がチャージ方式になっており、2度目に乗る際は最初に購入した乗車券を券売機の読み取り台に置き、目的地までの料金を入れるとカードに補充される。6回以上利用すると、購入時に掛かったデポジット料金が返金されるそうだ。観光客向けの1〜3日乗車券もデポジット料金が含まれており、こちらは使用終了時に窓口に返却することで返金される。
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