ニセ健康情報を摘発!英政府メディアの威力

日本人も使える「騙されない」9の要点とは?

(1)その記事は、科学的な調査に基づいているか
学術的な根拠(論文や医師への取材など)が書かれていない記事は、警戒を。
(2)その記事は、学会の要旨集がもとになっていないか
論文は、第三者の評価を経て発表の価値ありと認められて掲載される場合が多いが、学会は評価のステップがない。したがって、ずさんな内容も多く、学会発表の内容は警告には値しないのでパニックにならないように。
(3)調査研究は、人が対象か
動物が対象の場合には、人で効く可能性は非常に少ない。
(4)何人を対象にした研究か
多いほうが信憑性が高い。
(5)研究は、対照群が設定されているか
設定されていなければ、疑ってかかろう。
(6)記事で主張されていることが、本当に研究されたのか
往々にして、研究されていない。たとえば、トマトが心臓発作のリスクを低減する、という記事があったとして、よくよく研究内容を調べると、トマトが影響している可能性があるのは血圧だったりする。高血圧が心臓発作の原因の1つなので、トマト→血圧→心臓発作の3段論法になっているわけだが、トマトが直接的には心臓発作のリスクを低減するほどの効果を持つかどうかについて、まったく確認されていない。
(7)誰が研究費を支払いリードしたのか
企業研究がどうしても、その企業にとって都合のよい結果を導き出しがちなのは自明のこと。学術研究でもその傾向は明確なので、最近は厳しく検証されるようになってきている。
(8)メッセンジャーを責めないで
「Should you “shoot the messenger”?」と表現されている。これは、シェークスピアの戯曲『ヘンリー四世』にも出てくる有名なフレーズで、悪い知らせを持ってきた人に腹を立てるのはやめようね、というニュアンス。報道関係者だけでなく、研究者等、さまざまな関係者によって、問題が生じている。
(9)より詳しい情報をどのようにして得るか? 
NHSのサイトで見つけてね。

 

これは、日本でも十分に通用する内容です。

日本では「伝言ゲーム」のように情報が拡散

一方、日本ではどうでしょう。スポーツ紙などにこうした"スーパーフード"の情報が載ったりすると、テレビのワイドショーで次々に紹介され、伝言ゲームのように情報が拡散していくことはよくあります。イギリスのように、国が科学的根拠を示しながらガツンとたたくことなどしてくれません。一部の科学者や私のような者が解説記事を出す程度。これではとても、デマ情報を食い止めることができません。

先日、日本のメディアで驚くべき記事を見つけました。2017年1月に、スポーツ紙や夕刊紙に掲載され、テレビのワイドショーでも流されたニュースで、内閣府革新的研究開発推進プログラムと某お菓子メーカーが、高カカオチョコレート(カカオ分70%以上のチョコレート)に「脳の若返り効果」の可能性があることを確認した、というのです。

次ページチョコのニュースをNHSの基準で評価してみると?
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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。