光通信、「高収益企業」の知られざる"稼ぐ力" 携帯販売代理店だけではない、その姿とは?
実際、オフィス関連事業は2015年3月期に1455億円だった部門売上高が2017年3月期に1207億円に縮小、営業利益も190億円から148億円まで減った。SHOP事業も連続減収だ。ただ、過去3期で見ると営業利益は140億円前後で安定している。これは店舗のリストラ効果によるものだ。
業界全体が販売不振にあえぎ、最大手のティーガイアが9%近い営業減益となったことからすると、光通信の業績は安定的と言えそうだ。とはいえ、大きな成長が見込めそうもないことも事実である。
現在の社長の悩みは「人材不足」
そこで現在、力を入れるのが「高ストック事業」だ。ウォーターサーバー(前期は3億円の営業赤字)や、回線事業におけるMVNO、自社光サービスなどがあげられる。たとえばウォーターサーバー。貸し出す時点では赤字が先行するが、天然水を顧客に定期的に届けることで、徐々に利益を出していくモデルだ。そんな商材を「自社商材」と呼び、増やしている。
2010年3月期には自社ISP(プロバイダー事業)しかなかったが、データカードやITソリューション、自社光サービス、ウォーターサーバー、自社SIMなど商材を追加。今2018年3月期は電力販売も本格化する。
玉村剛史社長は参入基準についてこう説明する。「バリア(参入障壁)が高く、設備投資がいらずキャッシュフローがいい、という基準に照らして参入を決めてきた。5年前には光通信が水や電力を手がけるとは想像もしていなかったが、5年で200%のストック利益の利回りになった」。
玉村社長の現在の悩みは、新商材の事業展開を任せられる人材が不足していることだ。投資基準に合致していても「やれる人間がいるのか」と、壁に当たることが少なくないという。
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