脱北エリートが語る「北朝鮮の体制転換」3条件 内実を知るテ・ヨンホ氏に独占インタビュー

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テ・ヨンホ氏がどれほど重要な人物かはぜひ、この記事を読み進める前に検索していただきたい。いま、北朝鮮首脳部が命を狙っていると言われていることが、そのすべてを物語っているだろう。東洋経済オンラインでの「炎上リスト第1位」に挙がっている程度のグローバル・エリートとは異なり、極めて重要な人物なのだ。

二流な脅迫を繰り広げている金正恩

金正恩といえば最近も、ミサイルをどんどん飛ばしては「ソウルと東京を火の海にする」とか、「米帝に無慈悲な鉄鎚を下す」とか、いろいろ二流な脅迫を繰り広げている。おまけに叔父の張成澤(チャン・ソンテク)を処刑したり、異母兄にあたる金正男(キム・ジョンナム)を暗殺したりという暴挙っぷりを見るにつけ、「金正恩は、五流の国家指導者に転落している」と嘆息している人は、私だけではあるまい。

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私はいま、この謎に満ちた金王朝の実態を知る、「北朝鮮情勢の第二人者」くらいに上り詰めたことを、ここで堂々と宣言する。

というのも、このたび発売される『粛清の王朝・北朝鮮――金正恩は、何を恐れているのか』において、北朝鮮政策の第一人者が書いた本の翻訳を担当したのが、このグローバル・エリートなのである。

原著者は、私が10年以上も親しくさせいただいている、元駐日韓国大使、また駐英韓国大使であり、韓国歴代大統領の補佐官を担ってこられた羅鍾一(ラ・ジョンイル)教授だ。その著者が、大量の脱北者や北朝鮮の高級官僚への膨大な取材調査を通じて、北朝鮮の権力闘争の実態からその行動原理、そして私たちがどのように対処すべきかを明確に書きつづった。

羅教授の豊富な対北人脈のおかげで、テ・ヨンホ氏のような元北朝鮮の大物に、長時間にわたってさまざまなお話を聞くことができた。これが、私が自分のことを、「北朝鮮問題の第二人者」と自負するゆえんである。

それでは、テ・ヨンホ氏の貴重な証言を紹介する前に、羅教授の本を翻訳することで明らかになった「金王朝の3大欠点」とは、いったいどのようなものなのか? 北朝鮮の指導者が隠したがる「北朝鮮の本質的欠陥」とは、いったいどのようなものなのか? 

以下に書くことは、『粛清の王朝・北朝鮮』で羅教授が書かれていることおよび、私が羅教授とテ・ヨンホ氏にお聞きしたことの完全なる受け売りだが、さっそく、紹介していこう。

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