(このひとに5つの質問)エリ・ハラリ 米サンディスクCEO
東芝との共同出資でNANDフラッシュメモリの大増産を続けるSDカード大手の米サンディスク。ハラリCEOに今後の新工場建設の考えと、アライアンス拡大の方針を聞いた。(『週刊東洋経済』9月22日号より)
東芝との関係は親密だ 世界シェア4割目指す
1 東芝と共同出資の四日市第4工場が9月に竣工しました。
第4工場は最大で月産21万枚(300ミリメートルウエハ換算)の生産能力を持つ世界最大のNANDフラッシュメモリ工場だ。回路線幅43ナノメートルで量産を開始する世界最先端工場でもある。土地と建屋は東芝の出資、製造設備は東芝とサンディスクとの折半出資会社「フラッシュアライアンス」が負担する。
われわれは日本で最も多くの投資をしている海外メーカーでもある。これまで東芝とは共同で数十億ドルの投資をしてきた。最初の顧客はキヤノン、ソニー、ニコンなど。デジタルカメラ用のフラッシュメモリを納入したのが始まりだった。メモリカードのシェアは日本でトップだ。
2 NAND型フラッシュメモリは年率2割で伸びています。今後の展望をどう見ますか。
2007年の市場規模は150億ドル程度で、10年には400億ドルまで拡大するとみている。コスト削減でNANDの価格が今後大きく下がり、ハードディスクドライブやDRAMからの切り替わりが期待できると考えている。
DRAMがこの世からすぐになくなることはないが、NANDはDRAMの10分の1にまでコストを下げる余地がある。
3 東芝は今年度中に第5工場の候補地を決めます。
第4工場の生産能力を最大限まで引き上げるには2年以上かかるため、しばらく第4工場の増強に集中する。われわれにとって第5工場が必要かどうかは、これから考えること。現段階では何も決定していない。
拙速にあまりに多くの生産能力を備えることは健全ではないが、09、10年ごろに向けてさらなる能力増強が必要になるかもしれない。第5工場の建設は四日市以外の国内か海外になる。新工場建設にあたって、第1から第4工場までと同じように、東芝との共同出資を最優先する。東芝とのパートナーシップには非常に満足しているからだ。
4 ただ、NAND製造大手の韓国ハイニックスとも合弁設立で合意しています。
それは3月にMOU(覚書)を交わしただけで、ハイニックスとの関係に新しいニュースは何もない。同じようにDRAM大手の独キマンダともMOUを交わしているが、こちらも進展はない。ナンバーワン・パートナーシップは東芝であり、その親密な関係は他社とは比較にならない。
5 足元のサンディスクのシェアや今後のシェア目標は。
現状、金額ベースのサンディスクの世界シェアは25%。数量ベースでは東芝との合算で30%台前半になる。これを08年から09年には40%台にしたい。
(撮影:今 祥雄)
Eli Harari
1945年6月生まれ。米プリンストン大学で博士号を取得。米ヒューズ・エアクラフト社、米ハネウェル社などを経て88年にサンディスク社を創業。
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