そもそも、投機市場とは、実需とは関係なく高値が買いを呼び、さらにそれが高値につながるという、博打相場である。何かの拍子にこのバブルが弾けると、相場は逆に売りが売りを呼ぶ展開になるのは自明の理なのだが、成金投機筋は自分だけは大丈夫だと信じているから性質が悪いのだ。
複数のシャドーバンキングが彼らに融資をしているが、今やインジウムの雲南相場は、世界のインジウム相場を先導する形になってきた。欧米市場も日本市場ですらインジウム市場の需給バランスは供給過多であるにもかかわらず、雲南市場の高値追いにつられ、徐々に市況はじり高傾向になっているのだ。
レアメタルの生産者はリスクが高いので、専ら「早売りの早降り」に徹しているが、成金投機筋は「まだまだ先は高い」と信じているようだ。泛亜の取引口座は(2013年6月末まで)4.5万個であるが、取引所としての目標は10万個としている。正にロシアンルーレットというか、ババを引いたものが負けるゲームのように見えるが、当の当人たちはどうせシャドーバンキングからの融資であるから、失敗しても知ったことではない、といった感覚である。
サラリーマンの格好の投資・財テク対象に
筆者の関係者の現地調査によれば、取引所の企業法人格を有し、独立して大口の商品取引活動に従事することのできる企業・自然人の現物投資家は、いずれも書面あるいは電子形式を通して申請が可能で、取引所の認可を得た後、取引所のディーラーとなることができる。
取引時間は弾力性があり、国の法定祝祭日を除く毎週月曜から金曜が取引可能で、かつ夜間マーケットも増設している。各取引日の取引時間帯は夜間の20時から6時間、午前は9時から2時間半、午後は13時半から2時間半の取引だ。夜の20時はロンドンの13時であり、意識して国際市場と連動しており、欧米市場も影響を受ける様にしている。
このシステムは、中国人のサラリーマンが8時間の勤務時間外に投資・財テクを行うのにも便利だ。取引のハードル(参入障壁)は低く、目下、二つの上場品目の取引単位はいずれも100グラム/枚(契約と譲渡申し込み単位は5枚の整数倍)で、銀の最小受け渡し単位は15キログラム(15キロの整数倍で申し込む)、インジウムの最小受け渡し単位は20キログラム(20キロの整数倍で申し込む)だ。
取引方法も弾力性があり、ロングポジションとショートポジションの双方向取引をとることができる。しかも同一取引日に複数回の契約と譲渡取引が実現可能で、決済方法は当日あるいは後日の決済が可能だ。関係者からの報告から判断すると、明らかに投機を煽る構造になっており、いつ、何が起きても不思議ではないという状況なのだ。(次回へ続く)
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