中国が往年のスマホメーカーを飲み込む理由

モトローラ・ブラックベリーも中華スマホだ

レノボのように、中華系メーカーが先進国の携帯電話メーカーのブランドを活用して市場開拓を進めるケースはほかにも見られる。中国の家電メーカー大手・TCLの子会社で、携帯電話事業を手掛けるTCLコミュニケーションである。

モトローラ・モビリティ同様、日本のSIMフリー市場に進出しているTCLコミュニケーション。アルカテル・ルーセントの「アルカテル」ブランドで事業を展開している(著者撮影)

TCLコミュニケーションは自社の「TCL」ブランドより、「アルカテル」というブランドを活用し「IDOL」「Pop」といった、まさにポップな名称とデザインのスマホを提供して人気を獲得している。

このブランド名はフランスの通信機器メーカー、アルカテル・ルーセントのものであり、TCLコミュニケーションが同社からライセンスを受けて使用しているのだ。

アルカテル・ルーセントの前身であるアルカテルは、かつて自社の無線通信技術を生かして携帯電話を開発していたが、1990年代が終わるころには端末メーカー間の競争が激化。販売拡大のためには技術だけでなく、マーケティング力や低コスト化が求められるようになった。

「ブラックベリー」とライセンス契約を結んだTCL

そこで、アルカテルは2004年、中国で携帯電話事業を展開していたTCLをパートナーとして合弁会社を設立。そちらに自社の携帯電話事業を引き継いだのである。

だがその後、アルカテルは同業である米ルーセント・テクノロジーとの合併による、通信機器事業の拡大へと舵を切った。そのため、翌年にはTCLが合弁会社を子会社化(これが現在のTCLコミュニケーションとなった)。その際TCLはアルカテルのブランドライセンス契約も獲得した。

TCLコミュニケーションは中国メーカーならではの高いコスト競争力に加え、アルカテルが築いたブランドや販路を活用して携帯電話やスマホを世界規模で販売。事業の大幅な拡大に成功したのである。

ブラックベリーといえばビジネスパーソン御用達の英字キーボード。写真は2013年に海外のみで発売された「Blackberry Q10」(撮影:Karlis Dambrans)

そんな同社が最近、大きな注目を集めたのが、昨年12月にカナダの「ブラックベリー」の独占ライセンス契約を獲得したことだ。

ブラックベリーといえば、小さなボディにキーボードを備え、メールが打ちやすいことで世界的に人気となったスマホ。ビジネスパーソンのファンが多かった。だが最近ではiPhoneやAndroidスマホに押される形で販売不振となり、自社開発の終了を余儀なくされていた。

TCLコミュニケーションは2月に早速、ブラックベリーのブランドを冠したスマホ「BlackBerry KEYone」を発表。これまでの明るくポップなイメージが強いアルカテルのブランドでは獲得しづらかった、ビジネス層を狙うものと考えられそうだ。

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