定年後は月8万円稼ぐことができれば十分だ 「退職時に3000万円必要」は本当か

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現役時代は働いて会社からもらう給料が生活の糧ですから、8万円ではとても生活していくことはできません。

ところがリタイアした後の風景はまったく異なります。まず、65歳からの収支がいったいどれぐらいになるのかを見てみましょう。

毎月「夫婦で年金以外に8万円」の根拠とは?

総務省の「2016年家計調査報告」によれば、高齢夫婦無職世帯(高齢夫婦とは夫65歳以上、妻60歳以上をいいます)の家計収支は、収入の月平均額が21万2835円、支出の月平均額は26万7546円となっています。毎月およそ5万4000円の赤字です。これは無職世帯ですから収入のほとんどは年金収入です。これに加えて旅行に行ったりすることも考慮してあと2万円ちょっとを毎月の支出に上乗せし、少し余裕を持たせていけばそれなりに充実した生活はできるでしょう。つまり年金収入以外に毎月8万円ぐらい働いて稼ぐことができれば生活に不安はないということになります。

毎月8万円ですから、年間にすると100万円弱です。確かに一切働かなかった場合は、退職金や自分の蓄えの中から「毎年100万円」を取り崩していかなければなりませんから、60歳から90歳まで30年間だと合計で約3000万円のおカネを持っていないといけないということになります。

しかし、何らかの形で働いて収入を得るのであれば、別に60歳時点でそこまで蓄えがなくても生活していくことは可能です。現に、最近の拙著『定年男子 定年女子』という本の中にも書きましたが、私は定年の時点で3000万円どころか、預金の額は150万円程度しかありませんでした。

それでも定年後の生活費が下がったことに加え、現在も働いていくばくかの収入を得ているために、何とかやっていけています。つまり定年後も働き続けるとしたら、その収入金額のひとつの目安が8万円なのです。しかも夫婦であれば、2人でこれだけ稼げばいいわけですからかなりハードルは低くなると言ってもいいでしょう。これぐらいの金額であれば、どんな仕事をしても決して稼げないという金額ではないと思います。

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