3月31日配信の「『儲けているのに給料もたくさん出す』116社」でも活用した、『会社四季報』(2017年春号発売中)のデータを用いて、「給料が高いのに残業が少ない会社」を探し出した。具体的には、上場企業の中で、本決算時点の平均年収が700万円以上、かつ月平均の残業時間が15時間以下の会社が対象だ。残業時間に関しては会社四季報の調査表(アンケート)をベースにしており、該当項目に回答があった1195社の中からデータを抽出している。なお集計企業の平均残業時間は19時間26分となっている。
対象となった企業は83社。残業時間の少ない順にランキングした結果、1位は豊田通商系の電気材料・電子部品商社、エレマテックになった。月平均の残業時間は1時間36分で、平均年収は707万円だ。会社四季報の調査では、2017年4月入社の新卒採用人数は10人(うち3人が女性)、2018年卒も10人の採用を予定している。
トップは月残業1時間36分、平均年収707万円!
2位は研究開発型ファブレス半導体企業、ディジタルメディアプロフェッショナル。工場を持たず、ゲーム機向けのライセンス収入が収益の柱である。任天堂が大きな取引先のひとつ。ここ4期連続で営業赤字が続いており、2016年度も赤字となる可能性が高い。ただ、自己資本比率が95.2%と高く、借金もないために財務は安定的だ。新卒採用の予定はいまのところない。
3位は丸井グループだ。クレジットカードが収益の柱で、店舗も首都圏などに展開している。百貨店など小売店業界は、自社販売から、テナントへの賃貸へとビジネスモデルを転換中で、その効果もあり、採算性が良くなっている。2017年4月入社の新卒採用は59人となっている。
4位はアマノとヤフーが大株主のソフト会社、クレオが入った。5位には医薬品卸のトップ級企業であるメディパルホールディングス、6位には住友化学系の医薬品中堅メーカーである大日本住友製薬と、医薬系企業が続いている。ランキングに入った企業を見ると、メーカーが多いのが目につくが、その中でも医薬・化学系、半導体など電機系、機械部品系が比較的多いようだ。
残業時間が少ないのに、給料が高いということは、就業時間内に生産性・効率性の高い仕事をしている可能性が高い。つまり、密度が濃く、付加価値の高い仕事をしている企業、といえるだろう。まだまだ続く就活だが、今からでも志望企業選びの参考にしてもらいたい。
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