あの英鉄道アニメに着目した鉄道会社の狙い ミュージアムは「チャギントン」がいっぱい
また、カーペットの反対側にあるプラレールの展示台の引き出しには、貸し出し用に、子ども向けのチャギントンの番組に登場するナビゲーターの衣装・帽子もある。子どもはここで衣装に着替えて、カーペットの上に自由にプラレールを敷き詰めて、思う存分好きな車両を走らせられるのだそうだ。
カーペットの脇には水戸岡デザインとひと目でわかる長いすがあるので、親はここで子どもの遊ぶ様子を見ていられる。
訪問前には、漠然とだが展示品を順番に見て回るような施設かと思っていた。しかし、実際には親が子どもを連れてきて、チャギントンの物語をスクリーンで楽しみ、好き放題プラレールで遊ばせるという、滞在型の施設だった。両備グループが目指す「子どもの歩いて楽しいまちづくり」の一翼を担う施設なのだ。「なぜチャギントン?」との疑問の答えはここにあった。
街の活性化へ向けた取り組み
公共交通は、いまや大きく利益を上げることは難しい業種となった。しかし、公共交通は都市の重要なインフラであり、その信用力から都市開発にも大きな影響力をもつ。人口減少に向かう日本において、コンパクトシティ化した都市における住民の足の確保というだけでなく、楽しく暮らすための仕掛けまでも期待される存在となっている。
山木常務は「地域創生・地方創生には街の活性化が不可欠との思いで、さまざまな取り組みをしております」という。両備グループとしては、その取り組みの1つに「おかでんミュージアム」があり「チャギントン」があるのだ。
長期的な視点に立った取り組みは、ある一点だけを見てしまうと、その意図するところを正確に理解することは難しい。そのことを痛感した取材となった。
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