オイルマネーが後ろ盾 コスモ石油が積極投資へ
コスモ石油にアブダビの政府系投資会社が出資。(『週刊東洋経済』9月29日号より)
コスモ石油はアラブ首長国連邦(UAE)・アブダビ首長国の政府系投資会社「IPIC」と資本・業務提携で合意したと発表した。IPICは20%を出資、筆頭株主になる。
コスモにとって中東オイルマネーの後ろ盾を得られるメリットは大きい。1986年の合併時から多額の有利子負債に苦しんできた同社は借り入れ圧縮を優先。このため、「前向きな投資」では他社に出遅れた感があった。一例が重質油分解装置。この装置を導入すれば、重油などに代わって需要堅調なナフサなどの生産を増やすことが可能だ。
コスモは約1000億円を投じ大阪・堺製油所に同装置などの新設計画を打ち出したが、周囲には最近の資材価格高騰などで投資額が膨らむとの見方が少なくなかった。財務基盤が強化されれば、積極投資に打って出られる。
既存設備を有する他社との再編シナリオも浮上していたが、今回の増資で「可能性は完全に消えた」(みずほインベスターズ証券の河内宏文アナリスト)といえそうだ。
(書き手:松崎泰弘)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら