米国が北朝鮮を攻撃する「Xデー」はいつか 核兵器開発を傍観しているわけにいかない
米政府が今後さらに一歩踏み込むことを選ぶとしたら、最も可能性が高いのは、突然の、そして願わくは圧倒的な、北朝鮮の疑わしいミサイル・核兵器開発施設の爆撃である。
しかし、これをもってしても北朝鮮が核兵器開発から完全に手を引くとは考えにくい。影響を与えられるとすれば、北朝鮮がディーゼル電気潜水艦に弾道ミサイルを搭載するというような、より野心的な兵器開発に乗り出すことをとどまらせるくらいだ。
米国による攻撃はどの程度「破壊的」か
米空軍兵が擁する最大と考えられている通常爆弾(3万ポンドのGBU-57「大型貫通爆弾」)は、こうした標的を念頭に置いて設計された。ジョージ・W・ブッシュ政権で主にイランの核開発施設を破壊するために開発され、その近辺にある米軍基地か、米国本土から出撃したB2ステルス爆撃機から投下される。
通常のジェット航空機と異なり、B2は、おそらく極東アジア地域に配備されているより新型のF-22ラプター、また、より新型のF-35統合打撃戦闘機とともに、北朝鮮の空域に探知されずに侵入できる。
今のところ、米国が北朝鮮を攻撃していない理由は、米国がイランを攻撃しなかった理由と同じだ。すべての施設を破壊できるかどうかがわからない一方、考えられる報復は破壊的なものになると多くの専門家は考えている。
イランの場合、米政府はすでに脆弱になっているグローバル経済に破壊的な影響を与えかねない、湾岸の石油・ガス施設や、その船舶輸送に対する報復をイランが行うことを恐れていた。一方、北朝鮮の場合、北朝鮮が日本や、グアムのような地域の米軍基地に対してミサイル攻撃を行うこと、そして、韓国に対する砲撃を行うことが懸念されている。
砲撃がどの程度効果的かについては、軍事アナリストの間でも意見が割れている。中には北朝鮮の砲兵部隊が、砲撃1時間で韓国の首都に50万発の砲弾を撃ち込めると言う者もいるが、ほかのアナリストたちは懐疑的だ。