ロシア有力者がトランプ物件に投資している 「トランプ」ブランドの不動産を買い漁り

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「トランプ氏の関係者は品質管理と建設にとても関与していた」とデザー氏。「毎四半期ごとにやって来ては、進捗を確認していた。私たちがちゃんと利益を上げているか確認したがった」

デザー氏によると、住宅市場が崩壊した2008年、トランプ氏のタワーマンション900戸がデフォルト(債務不履行)した。デザー氏はその後何年もかけて、債権者に返済すべく懸命に努力したという。これら900戸が売却されるまで、トランプ氏はそこから稼ぎを全く得ていないと、同氏は付け加えた。

デザー氏と地元の不動産仲介業者によると、外国人の買い手がトランプ氏の不動産を購入し始めたのは、住宅市場の崩壊後にデベロッパーが価格を引き下げてからだという。主な買い手は南米出身者で、ロシア人や旧ソ連出身者の割合は小さかった。

デザー氏によると、2011年初めまでにトランプ氏の不動産は利益を上げ始めた。デザー氏は4億7500万ドルあったローンの完済を祝うパーティーにトランプ氏を招待した。そこで、トランプ氏から大統領選に出馬する計画を聞かされたという。

大量のローン書類を燃やして処分

デザー氏と同氏の父親であるマイケル氏、そしてトランプ氏は上機嫌で大量のローン書類に火をつけ、トランプ氏の不動産を借りている人や地元のビジネス関係者らから拍手喝采を受けた。パーティーの様子を撮影したビデオには、笑顔を絶やさず、冗談を飛ばし、集まった人たちをもてなすトランプ氏が写っている。

「マイケル・ジャクソンの髪の毛がペプシの撮影で燃えたとき、一緒にいた。あれはひどかった」と、1984年にペプシのコマーシャル撮影でジャクソンの髪に火がついたときのエピソードを、トランプ氏は披露した。「火のすぐ近くに座っていた。自分の髪だったら、倒産する」

デザー氏とトランプ氏はマンションを売るのにエレナ・バロノフ氏の力を得た。バロノフ氏は1980年代にソ連から米国に移住した。ウズベキスタン育ちのバロノフ氏は、ソ連の文化協会で活発に活動していた。間もなく同氏は、ロシア人観光客の団体をマイアミに勧誘し始めた。

デザー氏の父、マイケル氏は自分の会社と一緒に働くようバロノフ氏をスカウトした。デザー氏によると、バロノフ氏はロシア人の買い手を呼び込むため、モスクワやサンクトペテルブルク、フランス、ロンドンにまで足を運び、100万─200万ドルの分譲マンションを彼らに売り込んだ。バロノフ氏は2014年に白血病と診断され、1年後に亡くなった。

「彼女(バロノフ氏)の影響力は彼らにとって絶大だった。誰も彼女に取って代わることはできない」とデザー氏は語った。

(Nathan Layne記者、Ned Parker記者、Svetlana Reiter記者、Stephen Grey記者、Ryan McNeill記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

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