ロシア有力者がトランプ物件に投資している 「トランプ」ブランドの不動産を買い漁り
こうしたロシア人購入者の一部は米国でうまくやっているように見える。地方政治家のワジム・バレリエビッチ・ガタウリン氏はトランプハリウッドの部屋を、フロリダ州に登録している会社「VVGReal Estate Investments LLC」を通して350万ドルで購入した。
それから5年後、ガタウリン氏は同物件をデラウエア州にある有限会社に410万ドルで売却している。この有限会社の所有者については、州の記録に記載されていない。
ガタウリン氏はまた、2012年初めにも同じくトランプハリウッドの2701号室を92万ドルで購入しているが、数カ月後にはベネズエラ出身の夫妻に110万ドルで売却している。
ガタウリン氏はロシア連邦を構成する半自治のバシコルトスタン共和国出身。地方の副検事の息子として生まれ、自身も2013年から2015年まで地方議会の議員を務めた。
地方議会議員として、ガタウリン氏はロシア連邦法のもと、所得と資産を申告する義務がある。同氏が2013年に提出した所得申告書のコピーには、当時トランプハリウッドに所有していた2つ目の物件は含まれていなかった。
バシコルトスタンにあるガタウリン氏の会社に送ったメッセージに同氏は返答しなかった。
バイカーの友人
ガタウリン氏は最近、フロリダ州マイアミの都市圏で活発に投資している。同氏の会社は2012─2016年、ブロワード郡の不動産に少なくとも2800万ドルを費やしている。また、同社は2015─2016年にマイアミ・デイド郡の不動産6件を購入・売却し、計23万8400ドルの利益を上げている。
ガタウリン氏の会社は同州ハリウッドのビーチに近い小さなモーテルも登記している。モーテルの従業員はロイターに対し、ガタウリン氏が「ゴーストのように現れては消える」とし、現在はロシアにいると語った。一方、ロシアにあるガタウリン氏の持ち株会社の秘書は3月17日、同氏はロシアにいないと話した。