ロシア有力者がトランプ物件に投資している 「トランプ」ブランドの不動産を買い漁り
ロシアでのインタビューやフロリダ州の公文書、ビューロー・ヴァン・ダイク社の企業データベース「オービス」によると、ロシア富裕層の購入者の何人かは、モスクワとサンクトペテルブルクの同国2大都市の出身だった。
そのなかの1人に、アレクセイ・ウスタエフ氏がいる。同氏はサンクトペテルブルクにあるバイキング銀行の創設者である。同銀行は、共産主義体制の崩壊後、ロシアで初めて設立された民間投資銀行の1つだ。
同行のウェブサイトに掲載されているプロフィールによると、ウスタエフ氏は、サンクトペテルブルクの児童養護施設やチェスクラブへの寄付によってロシアのスポーツ省から表彰されている。また、銀行業務や慈善活動が評価され、同市の商工会議所からも表彰を受けている。
地方の有力者も
フロリダ州の公文書によると、ウスタエフ氏は2009年、サニーアイルズにあるトランプパレスの5006号室を120万ドルで購入。その2年後には、近くで開発されたトランプロワイヤルのペントハウスを520万ドルで購入している。
ウスタエフ氏は電子メールでの質問に対し、これら物件の購入は私的に使用するためだと回答したが、同氏の家族が米国で行っている事業についてはコメントしなかった。「私はロシアに住み、仕事をしている。海外に行くのは仕事か休暇に限られている」と同氏は述べた。
一方、ロシア人購入者の多くは地方の有力者で占められている。その1人がオレグ・ミゼブラ氏だ。同氏は炭鉱業界の大物で、交通警察の責任者を務めた経歴の持ち主。同氏の会社の主な資産は極東サハリンにある。
ミゼブラ氏は2010年、プーチン大統領の目にとまった。与党「統一ロシア」の集会で、大統領は同氏の仕事を称賛し、同氏との質疑応答に長時間を費やした。
ミゼブラ氏が傘下に置く企業「Swiss Residence Aliance Inc」は2010年、トランプハリウッドのペントハウス1号室を680万ドルで購入している。広さ約760平方メートル、天井の高さは約3.7メートルで、6つの寝室を備えたメゾネット仕様である。同氏はロイターのコメント要請に回答しなかった。