ロシア有力者がトランプ物件に投資している 「トランプ」ブランドの不動産を買い漁り
タワーマンションへの投資は、プーチン大統領率いるロシアにおいて、同国の富裕層が、キャッシュをしまい込むのに外国の不動産をいかに利用しているかを垣間見せてくれる。
購入したロシア富裕層の1人はアレクサンドル・ユズビク氏だ。フロリダ州の不動産登記簿によると、同氏と妻は2010年、サニーアイルズにあるトランプパレスの3901号室を130万ドルで購入している。同物件は約195平方メートルの広さで、3つの寝室があり、パノラマビュ-を楽しめる。
ユズビク氏は2013年から2016年まで、軍事施設で建設プロジェクトを行う国営企業、Spetstroiの上級役員だった。
同社ウェブサイトによると、ロシア情報機関の連邦保安局(FSB)のモスクワにある訓練学校で建設プロジェクトに同社は関わっていた。また、ロシア軍の情報機関、参謀本部情報総局(GRU)一般幕僚の本部棟の建設にも関与している。
同社がロイターに送った書簡によると、ユズビク氏は2016年3月に辞任している。
一部のロシア国営企業の職員は通常、資産や所得の公開が求められる。ユズビク氏と妻は2013年の資産を申告している。公開されているその申告書には、ロシア国内の資産しか計上されておらず、米フロリダ州のマンションは含まれていない。
この件について、ユズビク氏からコメントを得ることはできなかった。
もう1人のマンション所有者、アンドレイ・トルスコフ氏は、持ち株会社「アブソルート・グループLLC」の創設者であり、共同オーナーである。同社は電子機器卸売業や銀行取引、不動産開発を行い、モスクワ、ロンドン、ニューヨークでプロジェクトを展開している。電子機器卸売業はロシアで最大だと、同社の代理店はロイターに語った。同社は財務諸表を公表していない。
トルスコフ氏は2011年、トランプハリウッドの1102号室を140万ドルで購入。約290平方メートルの広さで3つの寝室を備えている。
トルスコフ氏は電話インタビューで、トランプハリウッドの1戸を購入したことを認めた。フロリダのマンションは当時、モスクワ郊外の3部屋ある物件と同額で、不動産を所有するにはフロリダは良い場所だったと同氏は語った。また、購入は個人的決断であり、ビジネスとは関係ないと述べた。