ロシア有力者がトランプ物件に投資している 「トランプ」ブランドの不動産を買い漁り
トランプ氏の不動産を購入したロシア人の一部にとって、米国での経験は良いことばかりではないようだ。パベル・ウグラノフ氏はロシア西部サラトフ州政府で2010─2011年、産業・エネルギー副大臣を務めたことのある事業家である。
ウグラノフ氏は2012年、トランプハリウッドの3704号室を180万ドルで購入。その2年後、3寝室ある広さ約315平方メートルの同物件を290万ドルで売却した。
それより以前、ロシアでウグラノフ氏は、2006年と2011年に州都サラトフ市議会選に出馬したが落選している。2度目は与党「統一ロシア」に所属しての出馬だった。2011年に副大臣辞任後、同氏は当時妻だったアナスタシアさんに、フロリダに移住すると告げた。
アナスタシアさんは、マイアミのマンションで行われたインタビューで、元夫のウグラノフ氏が移住の理由を一度も言わなかったと話す。「男の人が何を考えているか見当もつかない」と彼女は言う。
ウグラノフ氏はマイアミでガソリンスタンドを開業したが、経営不振に陥り売却した。その後、チャーター船ビジネスと運送業を始めるが、どちらも振るわなかった。
米国ではロシア国内でのような人脈はなく、米国流ビジネスの方法も分からなかったと、アナスタシアさんは言う。
ウグラノフ氏は昨年8月、ロシアのバイク集団「夜のオオカミたち」のリーダーであるアレクサンドル・ザルドスタノフ氏と一緒に写る自身の写真をフェイスブックのページに投稿した。同集団とザルドスタノフ氏は、米国による経済制裁対象となっており、同国への入国も制限されている。
ロシア大統領府のウェブサイトによると、ザルドスタノフ氏はプーチン大統領と複数回、面会している。大統領は2013年、同氏に「栄誉勲章」を授与している。
ウグラノフ氏は先月後半、電話でのインタビューのなかでトランプ氏のタワーマンション購入を認めたが、これは個人的な問題だとして、質問に答えることを拒否した。「要するに、私の私生活はあなたたちに関係ないということだ」と同氏は語った。
やり手の仲介者
トランプ氏のビジネスパートナーである前出の米国人不動産デベロッパーのヒル・デザー氏は、フロリダ州サニーアイルズにあるタワーマンション6棟が、同氏の家族やトランプ家、またサニーアイルズに成功をもたらしたと考えている。
デザー氏や同氏の会社の元従業員らによると、ホテルを含むこれら不動産が建設あるいは宣伝されていた2001年から2011年の間、トランプ氏は少なくとも4回は現場に足を運んだという。トランプ氏が建物の外観に同意していたとデザー氏は語る。