フェイスブックが、モバイル広告で稼げる理由 ネット企業にとっての希望の光

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グーグルとは対照的

長年にわたる問題の1つは、コンテンツの邪魔になる広告をユーザーがどこまで許容できるかという点だ。フェイスブックは、ユーザー満足度を低下させずにインストリーム広告の数を着実に増やしていると説明する。

同社のマーク・ザッカーバーグCEOは24日、ニュースフィード内の広告の割合は現在、平均で5%だと明らかにした。この比率は成功のベースラインとなる可能性があり、他のネット企業もこれに倣い、コンテンツ内の広告表示頻度を増やすことになるだろう。前出Ansibleのスティール氏は「他の企業がそれを見て、追随したとしても驚きではない」と語る。

また、フェイスブック上の広告キャンペーンを専門にするAdParlorのフセイン・ファザルCEOは、フェイスブックがユーザーの反応を見ながら常に調整を図り、徐々に蛇口を開いているに違いないと推測。フェイスブックは広告配信における「公式」を見い出したようだが、その公式はサービスごとに異なるものだという。

ファザル氏はまた、 「フェイスブックにそれができたのは、広告以外のコンテンツが非常に関心を引くため、20本の投稿のうち広告1つぐらいでは気にならないからだ」とし、「もしニュースフィードが関心を引かなかった場合、広告を見せ続けても機能しないだろう」と分析。さらに、表示の中に広告が増えるほどクリック率は下がり、広告価格も下がる恐れがあると指摘した。

モバイル端末におけるフェイスブックの成功現象は、この分野で緩やかに成長するグーグルとは対照的だ。同社はモバイル効果によって、広告レートの下落幅を次第に縮小させているが、前四半期はその動きが後退し、レートは再び下落。投資家の失望を誘った。

グーグルはこれまで交流サイト「グーグルプラス(Google+)」内でのインストリーム広告を避けている。その代わりに、モバイル検索やビデオ広告のほか、「クリック・トゥ・コール」といった革新的なサービスを融合させることで、モバイル事業で年間100億ドルを売り上げていると、RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、マーク・マハニー氏は推測する。これはフェイスブックの約4倍にあたる。

しかし、モバイル事業はグーグル広告の平均コストを引き下げており、こうした状況の変化が同社にとって長期的な脅威になると考える業界専門家もいる。ただ、広告の売り方が変わり、モバイルとPCの違いがあいまいになってきたことが、広告レートを支えるかもしれないとの声も聞かれる。

マハニー氏は「そもそもフェイスブックの強みは、デスクトップ(向け広告)の収益化がかなり未完成だったという点にある」と指摘。逆にグーグルは、まずはデスクトップ広告ありきで「完成度の高い、洗練された収益システムがあった」と話した。

(原文:Alexei Oreskovic記者、Jennifer Saba記者、翻訳:橋本俊樹、編集:伊藤典子)

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