フェイスブックが、モバイル広告で稼げる理由 ネット企業にとっての希望の光
[サンフランシスコ/ニューヨーク 25日 ロイター] - 米フェイスブック
フェイスブックのモバイル広告は前期比で75%の急伸。ウォール街の金融業界とマディソン街の広告業界が同社の事業見通しに抱く疑念を打ち消しただけでなく、スマホやタブレット型端末の利用が急速に伸びる業界において、他のネット企業にとっての道しるべになり得るとの声も聞かれる。
好調な決算の原動力となったのはユーザー投稿の間に表示されるニュースフィード広告だが、マッコーリー・リサーチのアナリスト、ベン・シャクター氏は「非常に効果的であるため、多くの会社がこのモデルに移行したり、模倣したりするだろう。昨夜(24日夜)が重大な分岐点となった理由はそこにある」と語る。
ネット企業幹部らはこれまで、モバイル広告が従来のデスクトップPC向け広告より利益が上がらないと懸念してきた。スマホの画面サイズやユーザーが大量の広告を嫌う傾向にあるためだ。
グーグル
収益化を模索する1つの方法として、広告と明示せずコンテンツと融合させた形で配信する「ネイティブ広告」が業界では拡大しており、これまでのところ、さまざまな成功例が出ている。
フェイスブックに先んじて投稿の間に表示される「インストリーム広告」のアイデアを編み出したツイッターも、モバイル広告から利益を上げる好位置にいるようだ。調査会社eマーケッターのクラーク・フレドリクセン氏による推計では、ツイッターの今年度売上高の半分以上は、モバイル広告からの収入になるという。
ビジネス向け交流サイトのリンクトイン
しかし、広告業界に対してモバイル広告事業を最も積極的にPRし、それが実を結んでいるように見えるのは、1年前はモバイルからの収入がゼロだったフェイスブックだ。
米広告大手インターパブリック・グループ傘下であるAnsibleのアンジェラ・スティール最高経営責任者(CEO)は、「今はモバイルが唯一の注力ポイントだと断言する企業はほかにはない。フェイスブックはその1つにすべての希望を託している」と語る。