中国の「バッシング」に頭を抱える韓国政府

サイバー攻撃や反韓デモ、対抗策見つからず

韓国産業研究院のシニアリサーチフェローであるLee Hang-Koo氏は、中国で直面する困難の影響を最小限にとどめるため、政府が市場の多様化を企業に勧めることは「ばかげており無責任」との見方を示した。

「中国はあまりに大き過ぎる」と同氏は語り、証拠の欠如を考えるとWTOへの提訴は実現困難であり、提訴しても何年もかかる可能性があると指摘。「外交ルートを通じて話し合った方がいい」と述べた。

いかなる提訴も、韓国にとって最大の顧客である中国との関係を悪化させるだけかもしれない。韓国国際貿易協会(KITA)のデータによると、韓国の対中輸出は、今世紀の変わり目には同国の輸出全体の10%程度だったが、昨年は約4分の1を占めた。

韓国のシンクタンク、現代研究所によると、中国の対韓輸出は同期間、4.5%程度で推移している。

練られた報復

WTOのルールに違反しているという証拠は、今のところほとんどない。中国当局はロッテグループなどの店舗を閉鎖するよう指示したが、それは防災上の懸念のためだとしている。また、化粧品各社によると、税関審査と衛生承認手続きの強化により、中国市場にアクセスすることが厳しくなっているという。

「規則を守ることにずさんだった中国が、今まさにそうした規則を適用している」と、韓国外務省の元当局者で、梨花女子大学ロースクールの教授であるChoi Won-Mog氏は語る。

とはいえ、韓国当局によると、中国のツアー会社は韓国ツアーを中止するよう正式な指示を「口頭で」受けているという。

レアアースの輸出規制を巡るWTO敗訴で教訓を得た中国は、「国際法に触れないよう慎重に韓国への報復を考え出した」とChoi氏はみている。

尖閣諸島付近での中国漁船衝突事件で最も打撃を受けた1つは、日本車の破壊行為が拡散した自動車業界である。

韓国・現代自動車<005380.KS>は事態を注視していると、この問題に詳しい人物はロイターに語った。

「今のところ大きな影響はないが、今後の展開を心配している」と同人物は言う。「各企業ができることはあまりない」

(Cynthia Kim記者、Hyunjoo Jin記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

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