自転車界のインテル、「シマノ」高収益の秘密 ツール・ド・フランス出場チームも部品を愛用

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会社側は2017年12月期の業績を売上高3300億円(前期比2.2%増)、営業利益660億円(同2.3%増)と前期比で小幅増程度を計画する。主力の欧州での売上高を2%増と保守的に見ているためだ。

2015年の水準と比べると物足りなく映るが、SMBC日興証券の岡芹シニアアナリストは「前期に発売したMTB向け電動変速機の上位機種が本格的に売れてくるだろう。欧州では在庫調整も終わったので、会社計画からの上積みが期待できる」と指摘する。

中国市場の開拓が課題

中長期的な課題は、中国を中心とする新興国市場の取り込みだ。先進国市場は成熟しており、市場拡大は望めない。前出の駒形・慶大教授によれば、現在の世界の自転車生産台数は1.1~1.2億台。そのうち中国が8000万台を占める(電動自転車は含まない)という。

台数だけでみれば中国は一大マーケットだが、地場メーカーなどの手掛ける安価な自転車が大きなシェアを占める発展途上の市場でもある。シマノは中国市場において、2016年は前年比34%減と販売を落とした。

島野社長は「中国地場のメーカーは(自転車が売れると見込むと)一気にドカーンと作ってしまう。在庫がはけないと、そのうち安売りも始める」と中国市場の難しさを語る。将来市場が成熟してきたときに、得意のスポーツ車向け部品をどこまで訴求できるかが成長のカギとなりそうだ。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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