ベンツ、新型「CLAクラス」の役割 斬新デザインの4ドア車、「手の届く」価格で登場
CLAクラスが狙う客層は、「ベンツに初めてお乗りいただけるようなユーザー」とメルセデス・ベンツ日本の上野社長は言う。Aクラス、Bクラス、Cクラスなどといった従来モデルではとらえきれなかった新たな需要を取り込むのが、CLAクラスに課せられた役割である。
ポイントは、一般的なサラリーマンでも頑張れば、「手の届く」価格。最も手頃な仕様の車両本体価格は335万円からで設定され、30~40代の若い世代を主なターゲットに据えている。出力を高めるターボが付き、実質的な排気量は1800ccに相当するとはいえ、日本車なら200万円台の車と走行性能はそれほど変わらないかもしれない。
カッコよく、高級感も申し分なし
が、そこはさすがのベンツである。CLAクラスの実車をまじまじと眺めたが、確かにカッコいい。内外装の高級感も申し分ない。個人的に「これで335万円から、というのはリーズナブルなのでは」と感じたぐらいだ。
一方、デザイン上、仕方ないが、後席は背の高い人だと若干圧迫感があるかもしれない。CLAクラスには乗っていないが、CLAクラスとほぼ同じエンジンを積むAクラスの試乗経験から、1600ccターボモデルは、街中のストップ&ゴーで多少、重さを感じるかもしれない(関連記事はこちら「新型『ベンツAクラス』に乗ってみた」)という想像ができる。マニアックな話だが、空気抵抗の少なさを示すCd値は0.23。量産車の中では世界最高水準で、燃費や静粛性、高速安定性などを高めている。
メルセデス・ベンツの販売は絶好調だ。今年上期(2013年1~6月)の全世界販売台数は69万台と過去最高水準。日本でも前年上期比24%増の2万4000台を売り、快走している。それを支えているのが、客層の拡大だ。メルセデス・ベンツ日本の上野社長が話したように、今やベンツが手頃な価格で買えるようになってきているという側面は小さくない。